老人ホームと少子高齢化
こないだ、とある社団の老人ホームの施設長にイベントの打ち合わせでお話を聞きに行って来て、ショッキングな事実の数々を聞いてきたのでご報告です。
まず、今回のイベントの趣旨でもある「若者を雇用したいのに若者が応募して来ない」という現状について。
お邪魔した老人ホーム。とても清潔感があり、窓が多いせいかとても明るい印象の施設なんですが、ここにはベッドが120床あるそうなんです。
ですが、開業した当初(いつかは失念したが少なくとも3年以上前)から、110床しか利用して頂いていないんですって。需要はあるというのに勿体ない!
それは、なぜか?
単純に従業員がいなかいからです。
これにはいくつかの明確な背景と不明確な背景があります。まあ、僕の中で明確に整理できてませんが、ビジネスチャンスの香りもするので書き留めておきたいと思います。
まず、明確な事実としては、社団法人の人気がないという事実。
「ワタミ」や「コムスン」などのネームバリューのある株式会社に若者が流れてしまっているらしい。
でもって少子化なのか、専門学校からの推薦入学者が年々減少しているらしい。ちなみに去年9名いたのが今年は2名しかいない!
でもって、新卒採用のための説明会を開催したらしいのだが、50名が入れるホールを借りて、23名の申し込みがあり、当日実際に参加したのが11名。このうち何名が応募してくれるのやら、と頭を抱えている状態。
打開策として、採用試験にこれまで一般教養の試験があったが、これがネックで応募して来ない傾向があるため、3年前から面接と作文だけにしたんだって!利用者側に立ってみた場合にも微妙な判断だなあ、これはあ…。
一方、専門学校や大学の福祉介護科が相次いで閉鎖に追い込まれているとのこと。ここは背景がピンとこない。少子化なのか、コムスンの事件を受けて人気がないのか?
高齢化=老人ホーム満杯みたいな図式と、この閉鎖はまるで逆じゃないですかあ?
単純に不安が襲うことを聞いちゃいましたよ。将来はフィリピン人のヘルパーさんにおしめ変えてもらうのかなあ、おれたち…。なんか長生きしたくないなあ。いいのかよ、こういうことで。
対策のひとつかも知れませんが、高校在学中にヘルパー2級の資格を取得させる高校が出てきているらしいのですが、明らかに使えないと。専門学校2年を経てきた人材とは雲泥の差だと言ってました。
なにがって、コミュニケーションスキルみたいですよ、結局のところ。チームとしての動きが取れないのが致命傷らしい。
とはいえ、専門学校卒に関してもひとつ。
これまで、新人研修と言えば介護に関する実技指導だけで済んでいたのですが、3年前からコミュニケーション・スキル・アップだとか、自分のウィークポイントを知るだとか、実技外の研修が必要になってきていると。ここが外部講師なんで、僕らのビジネスチャンスなんだけど。
若者の質が落ちてると、お嘆きでした。
みんな主体性がないんだって。
面接で「3年後、どんなヘルパーになっていたいですか?」に誰もちゃんと答えられないと。
それにしてもなんでなんだろう?
ゆとり教育の弊害?ゲームのし過ぎ?親の甘やかし?教育の質の低下?
なんなんだろうね、ほんと。
僕なんかも弱体化した若者の代表的な「新人類」なんて言われ方していた世代だったような気がするけど、その「新人類」な大人が嘆く、今の若者たちってなあ…。トホホ。
話を少し戻すけど、社団法人っていうか福祉って、「こちとらいいことしてんだぜ」ってことにあぐらかき過ぎなんだよ。見せ方の上手い株式会社が入り込んでみんなかっさらわれて、経営努力って物を省みろよってんだよ。と思った。
でもって、コムスン事件がいい例だが、株式は営利を全面に出し過ぎて福祉を食い物にすんなよ、介護報酬の不正請求なんてまだ行なわれてんじゃないかなあ、まったくよぉ。と思った。
と、脱線しましたが、こんな塩梅なんですよ。
一応、結論というかまとめると。
学校が一人前にできないまんま社会に押し出している。これは、子供たちの未熟さがあるし、会社側の器が小さくなっちゃって育て切れない面があるんだと思う。ここのギャプを埋めるビジネスがすでに展開している。ここに僕らニート支援のスキルの応用が必ず活かされると僕は考えている。
介護福祉の低迷は、農業の低迷に似ている気がするなあ。「農家なんかするもんじゃねえ」と言い続けた結果みたいな。
Today's BGM is
Noon/my fairy tale(2005) ブックオフで250円で購入、ラッキー!アン・サリーが大好きなんですが、正直入り込み切れないのがこの人。でも逆にBGMと割り切ると、とても耳馴染みがいいみたい。そういう場合、選曲がとても大事になるんですが、これはキャロル・キング、ビートルズ、バカラック・ナンバーからスタンダードまで取り上げており、ゴンザレス鈴木のさすがなアレンジが、なんだろ、ロハス?みたいな心地良さ。