マズローの欲求階層論
キャリアカウンセラー養成講座で学んだマズローの欲求階層論に、『社会人になったら読む「経営学」のきょうか書』という本で再度出くわした。
養成講座でも「なるほどなあ」と思った理論だけど、この本の日本語訳で更に合点がいったことがあるので、皆さんとシェアしてみたいと思います。
この欲求階層理論とは。人間の欲求には順番があって、低い欲求が満たされてはじめて高い欲求を抱くというもの。
逆に言えば低い欲求が満たされなければ高い次元の欲求は生まれない。
シャンパン・タワーをイメージしてみるといかな?
上からシャンパンを流し混み、満たされると次のグラスが満たされ…。
先ず1番はじめのグラスは生理的欲求。眠いとか空腹とかトイレなどの「身体的欲求」。
2番目のグラスが、自分の身を安全な状態に置きたいという「安全の欲求」。
この上二つのグラスが満たされて、ようやく流れ込むのが3番目の欲求「所属と愛の欲求」。
養成講座では確か「社会的欲求」となってた。英語ではBelonging and Love Needs,なので「所属と愛の欲求」の方がぐっとくる。
ぐっと来た所でピンときたのがこんなこと。今日のメインテーマ。
僕がこの仕事をしていて、若年者問題の最大の予防のテーマと考えているのが『学生時代に「自尊心」をいかに獲得させるか』なんだけど、この理論にヒントがあるような気がする。
「所属と愛の欲求」が満たされグラスが溢れ出すと4番目のグラスに欲求が流れていく。
そのグラスが「自己尊厳の欲求」である。自尊心とは多少ニュアンスは異なるが、「所属と愛の欲求」を満たしてなければ、僕らが目指す「自尊心の獲得」は叶わないと。
僕の知る定時制高校のクラス。誰かの悪ふざけを笑っているのはその生徒の回りの一部の生徒だけで、その他の生徒は白け切っている。そんなクラスが「所属と愛の欲求」を満たすことができるのか?
非常に疑問である。「クラス再生」というキーワードも浮かんでくる。
きっと、3と4の間には小さな所属(家族)から大きな所属へのスモールステップがいくつもあるはずだ。
だから家庭で蔑ろにされている子供たちの心の空虚感は広大なのだろう。
支援の重点課題は「所属と愛の欲求」にあった、という気付き。
でもって5番目が「自己実現の欲求」。
僕は今この欲求がほとばしっているわけだけど、親にも愛されない、或は友人のいない若者に「君の夢は?」なんて直球を投げ込んでも打ち返せるわけがないのである。
Today's BGM is
Jackson Browne/Late For The Sky
はじめてジャクソン・ブラウンを知ったのは映画『タクシー・ドライバー』。デニーロのアパートのテレビで、この曲をバックに恋人たちが踊るシーンで「Late For The Sky」が流れてて、一気に惹き込まれた。あの映画のデニーロも、マズロー的には満たされない孤独な男である。孤独を満たす、或は誤摩化すというのは人間の知恵なのではないかと思うが、それが殺人であったり悲しい結末になることもある。人の孤独を満たすのは、やっぱ人なんだと思う。来日中です。