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2009年10月の13件の記事

2009年10月26日 (月)

56000人の就職したくてもできない高校生たち

昨日のブログ、早くアップしたいという気持ちが先走り、非常に読みにくい文章だったことを反省しています。さっき直しましたんで、多少加筆もしたんで、改めて読んで頂けると幸いです。教育現場からのリアルな反響があり、励みになっています。ありがとうございました。
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ここ数日、高校で行う『自己PRが書けるようになるワークショップ』を企画作成しています。

これ、二年生向けというオーダーでしたが、設問を変更すれば三年生でも使える実践的なものになると思います。

まあ、書きたいことはこれじゃないんです。

このセミナーの冒頭で、生徒が置かれている今の状況は、多分君たちが想像している以上に酷いということを理解させるために、ある数字クイズを用意しました。

19万1000人

これなんの数字かわかりますか?

今の三年生で就職を希望した人たちです。

13万5000人

じゃあこれは?

これは、今年企業が出した高校生の求人総数です。有効求人倍率が0.71倍(最終的に数字の変動ありかも)。

どういうことかわかりますか?一人に一つの就職先がないんです。

5万6000人は、就職したくても就職できないんです。だから、面接での自己PRがね、てな具合からはじめます。

キツイっすよ正直。「誰がこんな世の中にしたんだよ、ふざけんじゃねえよ」って言われたら、あなたならなんて答えるだろう?

時間も限られているので、ここから自己PRになだれ込むわけですが…。

ちょっと待てよ。

もしも56000人の一人になったらどうするべきか、あなたたちを支える仕組みがどこにあるのかを教えとかなくていいのか?

って、ここのシェアするココロの本筋のところがどうしても気になるわけです。

一枚でも多くセーフティーネットを張ることが今僕らにできることなんだから。幸いその高校のそばには川口若者サポートステーションがありますので、情報提供は時間内でなんとか入れたいと思います。

それにしても56000人ですよ。こないだNHKで地方の高校生の厳しい就活事情を目の当たりにして、ショックを受けました。

今日も、定時制高校の先生から頂いたメールに、今年は最悪だという嘆きがありました。僕がお世話になった高知も思いやられます。

56000人。これは、就職を希望したけどダメになる生徒。でも、就職も進学も希望しなかった生徒もいますよね?それに中退していった連中…。

ちょっと調べてませんが、全国の進路未決定者が毎年何人いるんでしょうか?(今、移動中なんで帰ったらしらべますが)

ニートやフリーター、ひきこもりの支援は必要です。でもここにメスを入れなければ、どうにもならない。つくづく思いました。

なんとかしろよ、俺たち。レモンさんじゃないけど「ウィアーシンセキ!」でさ、カツカツのとこなんとかしてやろうよ。

Today's BGM is
U2/The Joshua Tree
U2 今日、YoutubeでU2のライブがストリーミング配信されていたのをご存知ですか?まだ観れるのかな?かっこ良かったなあ。僕らは事務所でiMacをモニターにステレオにつないで、最高に贅沢なBGMを聴きながら仕事をしていました。Youtubeのコメントが1万件!これはなんの実験だったんでしょうか?僕はこのアルバムからファンです。聴き直したけど、冒頭1〜2曲重いっすねえ。でもって3で救われるんだけど、凄い作りですよね。仕事でちら見だったのでしっかりもう一度観たいです。

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2009年10月25日 (日)

リクルート・スーツを着た発達障害の人たち

発達障害の児童を支援しているNPO法人たすくさんと出会ったこともあり、前に同じタイトルで書きましたが、ちょっと自分の気持ちや経験を整理するために、もう一度ちゃんと書いてみたいと思います。

10年間、困難を抱えた若者の支援をしてきて、いろんな状況、タイプの若者と接して来たわけですが、まだまだNPO法人が行っている支援現場には現れることのないタイプの若者がいるんだってことを、ハローワークと同じフロアにある「あだち若者サポートステーション」というところで三年勤務して知りました。

ハローワークと同じフロアというシチュエーションに対して、リファーが楽だなぐらいにしか、はじめは何も考えていませんでしたが、実は足立のサポステだから起きてたことがあったということを、辞めてから、つくづく感じていたりしています。その最たるものが、リクルートスーツを着た発達障害の方たちなんです。

彼らは、縦割り行政の狭間や、障害者と健常者、或いは精神科と福祉作業所の狭間に落ち込んでしまっている若者なんです。

そういう若者がいるという事実を問題提議として発信していくことで、彼らが少しでも今よりハッピーになることを願い書きたいと思います。

僕の勤務していた「あだち若者サポートステーション」は、ハローワークが同じビル内、同じフロアにある立地ということと、予約なしで自由に来て、自由に帰れることが特徴の施設です(当たり前かと思ってたら予約制もあるみたい)。

僕はここで責任者として三年間勤務したのですが、ようやく体制が落ち着いて来た二年目ぐらいから、「そういえば、あの人随分前から来てるよね?」なんて利用者がちらほら見受けられるようになりました。

あだちサポステは、パソコンでエントリーシートの作成やプリントアウト、求人サイトのチェック等だけの利用で帰るような方も多く、リクルートスーツを着たしっかり者な方たちは、ハローワークの付属機関的な利用の仕方をして、言ってみれば非常に上手に利用して帰るわけです。

そういう方たちは、朝夕のミーティングにも名前が上がってきませんから、言わばノーマーク。もっと言えば「ほっといても何とかなるタイプ」だという認識がスタッフにはあるわけです。

それが、徐々にコミュニケーション進むにつれ、実はいろんなことが苦手な“要支援”な人だということに気付いていくんです。気づきのポイントとしては「また落ちた」よりも「またクビになった」なんですよ。ここは、ポイントです。

でもって、そういう視点に立ってフロアを見ていると、そういう一見しっかり者には見えるけど、どうやら困難を抱えていそうなタイプは、どうやら一定数いるようなのです。そういう方が2ヶ月に一回とかふらりと来ると、顔と名前が一致しないので、捕まえようがないというかスタッフの共通認識にすることも難しいのがリアリティってヤツです。

そんな彼らを「リクルートスーツを着た発達障害者」と、僕は名付けました。これは、カジュアルな服装の一般的な発達障害の方や知的障害の方との差別を図る、わかりやすい差があると思ったからです。

さて、“カジュアル”な服装の発達障害の傾向を感じさせるタイプの方々は、スタッフが一見して心配になることが多く、新人のスタッフ、言ってみればド素人からも「石井さん、ちょっとあの人と話してもらえませんか?」なんて初来所の時点、或いはセミナーに参加した時点で“要支援”となっていきます。

何が言いたいのかと言うと、リクルート・スーツを着た発達障害の方々の、この「気付かれなさ」で生まれるタイムラグ(気付かれなさ=心配されなさ)が、彼らの困難さを複合的なものにしている要因になっていると言いたいのです。

同時に彼ら自身が、自分の障害性に気付いておらず、社会や会社、或いは特定個人のせいだと思っていることが多いことが、“事”を複雑にしている原因だと思います。実際、明らかなパワハラに遭っていたり、心ない言葉を浴びせられているケースは圧倒的で、「あそこは人が悪かった」という感想になるのも頷けます。

また、比較的学歴の高い方、時にはビックリするような高学歴の方も多く、大学までは問題が顕在化しなかったこともこの傾向を助長させているように思います。

この、自己認識のなさが、深刻さを加速させてしまうわけです。しかし、この自己認識のなさはカジュアル組もある程度一緒なのですが、イジメを受けた経験などからか、自分は人と何かが違うという違和感程度のものを抱いているケースは、カジュアル組の方があるように思います。

(ちなみにカジュアルという言葉を使っていますが、お母さんが買ってきた服をそのまま着てるな、というのが正直な印象です)

この自己認識の「なさ」から起こる行動パターンには大きな違いがあります。カジュアル組は、自己認識がそれなりにあるため、セミナー等へ参加してきます。

一方、スーツ組は「自分はそんなものに参加する程、困ってはいない」或は「あんなものに参加するのは、ひきこもりやニートの連中で自分は関係ない」という物腰である場合が圧倒的に多いのです。

ある意味、セミナー参加中の言動が大きな見立てとなりますから、ここに参加してくれないのは、その人が抱えている困難を把握し切れないこととなるため、支援現場での長期滞留と直結する要因にもなっています。ここにも気づかれなさの落とし穴があります。

そのかわり、キャリア・カウンセリングは(時として必要以上に)受けます。しかし、キャリア・カウンセラーは話を聞き、ステップアップを促すのは上手ですが、指示的アプローチから、(しかるべき支援への)ステップダウンを促すことが苦手であり、見立てができる方がそう多くはいません。

こうして闇雲に時間が過ぎていくだけなら、カジュアル組と変わらないのですが…。

これは最大の特徴と言えると思いますが、スーツ組は一見普通なんです。逆に口達者である場合もあります。それを真に受けてカウンセラーが鼓舞する。そしてドンキホーテのように企業に突っ込み、撃沈する…。彼らがスーツを着てる所以でもある就活への積極性が、カジュアルな彼らとの大きな差異となっているんですね。

そして、これこそが彼らの問題を重篤にしている要因だと思われます。

この繰り返しから二次障害で鬱病や拒食症、統合失調症を発症してしまうケースが非常に多いのです。実際、僕が出会ってきた精神障害者の多くの方は、実はベースにあるのは発達障害が原因で、社会的なストレスを抱え込み発症というケースが圧倒的に多かったです。

就職やバイトの面接もそこそこ受かってしまう点も、彼らの気付かれなさではあります。しかし、ちょっと付き合うと対人面や作業面での違和感が浮き彫りになるため、職場での人間関係の構築ができません。

構築できないどころか、理解されないが故に、罵声を浴びせられる、時には暴力を振るわれるという、完全にパワハラにあっていたりするケースもしばし見受けられます。この人格否定は相当精神にダメージを与えていると思われます。実際、クライアントの女性が相談中に何度も涙を流したことを思い出します。

逆にカジュアル組は、この辺をうまく回避しているので、ストレスを一定程度近づけない術を持っていますし、同じような仲間を見つけてつるむということを上手にします。

こうして、難しい顔をしたスーツ組と、ほのぼのとしたカジュアル組の顔の険しさが変わっていくんだと思います。これが、後々致命的な差に変わっていくんです…。

高学歴で、大学を卒業するまで無難に日常生活を送れているタイプだと保護者の認識がほとんどないケースが圧倒的に多く、ニートやフリーターになると、自己責任論で本人を追い込んでいることがよくあります。こういう場合、よく聞く言葉が「大学まで出して」です。

このように、家庭でも職場でも強いストレスを受けつつも、毎日のようにハローワークに通う日々が続くわけです…。実はストイックというよりも、本人のこだわり的なパターンという場合の方が多いのも悲しいんですよね…。

このようなことから、スーツを着た発達障害の人たちは、精神疾患など二次障害に陥る確率がカジュアル組より高いのでははないかと推測されますし、私の実感値では、それは当たっているように思います。

そして、カジュアル組も含めてですが、私たち就労支援者が彼らに対して最終的に福祉的なサービスに乗せようと思った時、障害者としての認定を得ていない、所謂障害者手帳を持っていないとサービスが受けれないという現実が立ち塞がります。

ここには当然保護者の協力というか納得が必要になるので、ここに辿り着くだけでも相当の労力が使われるわけですが、本当に大変なのは、ここからだということです。

こういう場合、正直、名だたる発達障害者支援センターなんてものはあてになりません。あてにならないのに、彼らを経由しなければ認定検査に辿り着けないというこの現実!(二年かけて障害受容を果たした男性をリファーして、主体性が無いという理由で門前払い同然の扱いを受けています。主体的な態度に見えないのがその方の一番の生きにくさなのに!)

実際、ここをくぐり抜けても、障害者の認定が得られないケースも多くあります。これが境界例(グレーゾーン)という言葉の所以なのだと思います。

障害の有無を判定する検査で、「センター判定」と言われる健常者と障害者のちょうど間ぐらいという判定結果の場合、認定されない場合と、される場合があるようですが、ここに天国と地獄の様な差が生まれます(判定する側がどの程度この事実に認識があるのか?)。

また、これのどっちが天国でどっちが地獄なのかも正直わからないぐらい複雑な感情が渦巻くので、どっちに転ぶにしても、相当高度な支援スキルと、他団体や保護者等との調停スキル(と呼べばいいのか?)が求められます。

こういったものに対応しうるスキルをどの程度保有しているかがNPO法人の力量なんだと僕は思いますが、まだまだどこの団体にしても未知のスキルなんじゃないでしょうか?僕も自信はありません。

発達障害という特性を持つ彼らは、立派に企業で活躍されていらっしゃる方もいいますが、一般的に健常者の中ではどうしても仕事についていけない、ミスを連発してしまうなど、企業に取ってお荷物的な存在になりがちです。しかし、ジョブコーチ等の利用により障害者の中のみならず、健常者の中でもトップクラスの働きをする方がいらっしゃいます。

先日お会いした、NPO法人たすくの代表である斎藤さんが、フィンランドに見学に行った際、ノキアが一流の電気通信機器メーカーになったのは発達障害者のお陰だと言ってましたが、そういうことがノーマライゼーションのもとに行われるマッチングにより、いくらでも可能になると思います。

しかし、そもそも手帳を取得しないと障害雇用の法定雇用率の対象外ですので、がさつな言い方をしますが、今の日本には企業に取ってのメリットがないのです。

また、縦割りの弊害で言えば、サポステ等が労働政策として産業経済部の管轄で行われていることが多いために、一番問題になっている発達障害者の問題を取り上げること自体が御法度的なムードがあります。長期滞留者という言葉で語って欲しいとか…。

カジュアルな彼らもスーツを着た彼らも、支援が同じように困難であることを押さえつつ、最後に決定的な違いを述べておくと、

カジュアルな彼らは虐め体験等で、他者と自分の違いについて敏感であり、また、保護者も学生時代にLD等の指摘を受けていることがあることもあり、うっすらとした受容があるため、福祉施策へのリファーの可能性が一定程度あり得る。

一方、スーツを着た彼らは、自身及び保護者が無自覚なため、自立塾のような支援の現場に現れることがない。

「あだち若者サポートステーション」という特異な立地と自由利用という環境設定があってはじめて出会うタイプだと言えます。こういう方たちを早期に発見し、しかるべき支援に乗せる流れを確立しなければ鳴らないと思います。

最後に、これは非常に過酷な憶測となりますが、発達障害者が何らかの支援に乗り、社会復帰を果たす瞬間に、スーツ組とカジュアル組に決定的な、或いは致命的な課題が浮き彫りになると僕は想像してます。

それは、カジュアルの彼らはある種の朗らかなかわいらしさを持ち、スーツを着た彼らにそれがない人が多い。最初的にはここが社会参加の決定打となると僕は思うのです。これがスーツを着た発達障害の人たちの困難さなのであり、世の中というのは、実はとても単純な尺度で動いている事実だと思うのです。

だから、彼らの顔が、性格が険しくなる前、それは恐らく思春期前に彼らを発見し、しかるべき受容と自己肯定感を持ってもらえる支援を確立することが重要なことだと思います。

後記。

実はスーツを着た発達障害の人たちは企業の中にちょっと変わった人としているんです。20年前までのおおらかな社会には、それなりの順応を果たしていたんです。
彼らが今の時代に生まれたから、苦労を強いられている。逆に今の若者が20年前に生まれてたら…。そう考えることで自己責任論の乱暴さが理解できるかもしれませんね。

Ronnie Wood Anthology: The Essential Crossexion
51rquikcspl_sl500_aa240_ ロニー兄貴です。元気なんでしょうか?長いキャリアでいくつものバンドを渡り歩き、ストーンズに落ち着いたわけですが、どのバンドに居たときもこのソロの一群を聴くと一線を感じるわけです。思った以上にメジャーセブンスな憂いというかロマンチックというか。どのバンドも黒人音楽を下敷きにしたバンドだったと思うのですが、ロニー自身の下敷きはそのど真ん中から少しズレていた。だから、例えばキースと比べソロ作品が多い。そんなこたあねえか。

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2009年10月22日 (木)

村田幸一さんの畑を訪ねる

来月の29日(日)に、横浜市地球温暖化対策本部との第三回目のコラボ企画を行います。

今日は、そのイベント会場の下見に、都筑区仲町台地区センターに行ってきました(実は昨日かと勘違いして、二日連チャンで早起きっす…)。

Image6492 イベント当日に、ゲストのお一人で農業をされている村田幸一さんの野菜を販売しているJAの直売所に行く予定なので、20分歩いて行ってきました。こういう時間が行政の方々といのいい時間になったりします。

直売所、新鮮で安い!凄いですね。平日の午前中というのに、随分、お客さんも来ていました。

すべての野菜の値札に生産者の名前が入っているんですが、村田幸一という名前を見つけただけで嬉しくなり、なぜか誇らしいとさえ思いました(笑)。

料理を作るのではなく、食べ物、野菜を作るってスゲーなって感動しましたよ。

またまたその足で20分以上かけて、村田さんの畑へ。Image660_2

やっと見つけた畑で、村田さんは小松菜の収穫を一人でしていました。

遠くからその姿を見て、これまた勝手ですが、正直、孤独を感じました。

考えてみたら、僕はいつも誰かのいる場所で仕事しています。

農業は孤独な仕事なんじゃないかって、勝手に思いましたが、実際はどうなんでしょうか?この辺を29日には聞いてみたいと思います。

帰りがけに気付いたのですが、朝の4時に起きて農作業しているということは、今が11じだから、そろそろ7時間が経つわけですよ。

午後はなにしてんだろ?夜は何時に寝るんだろ?

ちなみに村田さんは22歳。遊びたい盛りじゃないですか!?

同業者はみんなお年寄りだろうし。

いろいろ聞きたいなあ。楽しみだあ。皆さんも、農業に興味があったら是非お越しください。

忌憚のない方なんできっと楽しいですよ。

帰りに採れたての小松菜をいただきました!香りが甘くてみずみずしい。定番の味噌汁もいいですが、かき揚げが美味いんですって。早く食べたい。

畑から会社は二駅なので歩いてみたら40分かかりました(・_・、)

Today's BGM is
Steely Dan/Stone Piano
Stonepiano このアルバムは何なんでしょうか?音質が悪くて。スティーリーダンのデビュー前の録音でしたよね?シャッフルでiPod聴いてたら、これの「Come Back Baby」がかかって、それがめちゃくちゃかっこいい!誰だっけ??やっぱこうやってブラインドで聴くと黒人に聴こえるんですねえ。団さんは黒い!曲はいいですよ、このアルバム。サンプリングしたネタをわざとローファイにしているオールドスクールな雰囲気とかを楽しめるとはまります。

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2009年10月21日 (水)

CSRの現状を垣間みる

「第二会共創オープンフォーラム〜共創で見えてくる新たなCSRの可能性〜」@横浜市開港記念館を聴いてきました。

皆さん、自社の取り組みを発表しているときは威勢がよかったけど、パネルディスカッションになったら、何とも歯切れが悪い。

まだまだ、我が国のCSRというものは第一ステージの休憩所で一服しているような状態なのかなあ、と思います。

立ちすくみ感は、社会的なコンセンサスより、むしろ社内的なコンセンサスが非常に取りにくいことにあるんじゃないかと感じたけど、どうなんでしょうか。

CSRのサスビリティレポートを止めてしまう企業も出てきているようです。

CSRには、企業的価値と社会的価値の共存が重要なわけですが、どちらも資本が必要なわけで。このご時世、企業的価値の追求、つまりコンプライアンスや、法例遵守、リスクマネージメントなどの従来型のCSRに留まり、想像的な攻めのCSRが難しくなっていく。

そんな中、揚々としているのが、エコカーの自動車業界。本来事業での環境CSRと経済活動が直結しているパターン。

ここでCSRを撤退させた企業と踏ん張った企業に、社会的信用の取り返しのつかない決定的な差が生じるだろうと分析していました。

そんな中、中小企業代表的に出席されていた、横浜の老舗印刷会社の社長は元気だったです。

一人歯切れがよかった。まあ、最高経営責任者として出席しているのは彼だけだからかも知れませんが。

中小企業のCSRは、社員の元気とお客さんの笑顔だって言ってました。素敵です。ほんとに地域への恩返し感がありました。

サスビリティとは身の丈にあった活動だと痛感しました。

シェアするココロも身の丈にあった社会貢献をしていきたいと強く思いました。

Today's BGM is
The Beatles/Rubber Soul [2009 Stereo Remaster]
0e0afee7 そう言えば、ジャケはリマスターされてんのかな?ジョージの鼻毛が映ってるとか、毛穴がとか(笑)はい、人気盤です。「ノルウェーの森」のアタックの強さが気になっていたんです。コンプレッサーとかなの?とか。リマスター版で解明されました。もともと強いストロークですが、リンゴのバスドラがストロークに会わせる感じで入っているんですねえ。僕的には大発見でした。これ以降を大量入荷しまして、入り浸ってます(笑)

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2009年10月20日 (火)

NPO法人たすくを訪ねてきた

今日は、鎌倉にあるNPO法人たすくを訪ねてきた。

たすくさんは、SNSを取り入れ、保護者の方と専門家がウェブ上で繋がりながら、複眼的な支援をしている、先進的な活動をされています。

僕が今、ハマトリアム・カフェのアフターアワーズでヨコハマ経済新聞の編集長と語り合っているICTをすでに取り入れた支援を実践されているんですよ。

で、このSNSの導入をサポートしているのが、隣のインフォ・ラウンジLLCの社長肥田野さん。たまにはちゃんと紹介しないとね(笑)

隣の社長とよく発達障害の話をしていて、なんでこんな詳しいのか訝しんでいたら、たすくの斉藤代表の名前が出て来て、、是非会わせて欲しいとお願いしていたんです。

SNS導入の効果について、聞いてみたかったのですが、若年者就労支援業界に於ける思春期以降の発達障害支援の現状や、就労についてなどなど取り留めもなく喋りました。

ちょっと久しぶりにネイティブな言語が通じる斉藤さんを前に興奮してしまい、お互いの情報交換で終わってしまいましたよ。

でも、濃かったなあ。斉藤さんはでかかったなあ。国家レベルで発達障害者についての正しいコンセンサスをどうしたら得られるのか?

そんなことを考えている方でした。

この国をどう動かすか?

やっぱりそんなことを考える人はでかいのでした。

一時間の情報交換でしたが、いいバイブレーションをいただきました。凄い刺激です。

もうこの業界10年目ですが、きっとあと10年いても、隣の社長がいなければ出会わなかっただろうなあ、いや、隣の社長にヨコハマ経済新聞の編集長が会わせてくれなければ、いや、浜の理事長が横浜に来てよって言わなければ…、お母さんが産んでくれなければなわけですが、みんな感謝です。

一歩足を踏み外したから会える人たちと、これからも出会いを重ねていくと思います。

そういう方々を、若年者就労支援業界にどう引き合わせ、ケミストリーを起こしていくか。

楽しみです。しかし、無意識的にですが発達障害系のエントリーが増えているな。

Today's BGM is
The Coming Grass/Transient
Album_transient この人たちは、アンクルティペロとかウィルコとかの絡みの人たちでしたっけ?オルタナ・カントリーなんて言葉があって。02年当時、友人と曲を作ってて、その友人がバーズのロデオの恋人やフライングブリトーズあたりからスコンとこっち系に行って、よく聴かせてくれてた。男女のボーカリストがいて、女性の方が伝統的な感じ。とても曲がいいし、新しい感性で伝統を受け入れつつ、しっかりアウトプットしています。好きですねえ、こういうの。

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2009年10月19日 (月)

横浜ジョブトライアル

このところ、横浜ジョブトライアルという名のコンテンツ作成に、職員が集中している。

今日も一日動画編集。週末に一度仕上がったものに僕が駄目だしをしたからだけど。

このコンテンツの登場人物は、インターンシップの受け入れ企業と、インターン生である支援施設を利用している若者です。

このコンテンツで僕が仕掛けたいことは、受け入れ企業にとってのロイヤリティが生まれる作品にすること。

お願いや頼みごとばかりで、こちらは何もしないということはしたくない。受け入れ企業を蔑ろにしてきてポシャったインターンシップ事業はきっと腐るほどあると僕は思う。

登場企業のプロモーションビデオを作成しているつもりで編集してくれと指示しています。ここに登場したことで、何らかのダメージを与えてしまっては、決してならないわけですから。

映像は切り抜き方によってそうなるから怖い。BGM一つで、過酷な作業がオロシロ可笑しくなるわけだし。

マスコミが悪意を持つことの恐ろしさを痛感していますよ。

そしてもうひとつはインターンシップ生の扱いです。支援施設のスタッフ的にはかわいい教え子ですよ。

僕らもスタッフと同じくらいの愛情を持って、インターン生をカメラに収めたい。

そしてそんなインターン生のイキイキとした姿を見て、保護者の方々に勇気を与えられればと思うし、よっしゃ俺も、と奮起してくれた若者が一人でも出ることが、このコンテンツ最大のミッションなんです。

ちなみに、これが第1作目。仕上がりのイメージは散々話し合って来たけど、やはりそれも仮説であって。

結局、これから参加するであろう未知のインターン生が不安を解消する写真が足りず、急遽、先方のブログからの写真をお借りすることにしたり。

でも、まあ。これで目指すべき絵コンテがOJTで掴み取ったわけなんで、2作目以降パワーアップしていきますよ!(#01も結構いいせんいってますがね!)

それにしても、今日の編集者は、ピンチヒッターのスーパーオールマイティライターふるちん。よくやってくれました。

さすがライターだけに、全体の構成に、しっかりとした俯瞰の眼差しがあり、全体的に流れがスムーズになりました。

そして仕上げは、ハイパー非常勤のイナミーによる、こだわりのエフェクト微調整攻撃。

これが実に長い!

でもね、いいものを創りたいというパッションは大切にしたいですからね。効率化は次回以降の課題としました。

見えなかったものがウェブによって見える。わからなかったことがウェブによってわかる。

不安が薄れ、ちょっと勇気が出た。

そんなサイトにハマトリアム・カフェをしていきたいですね。

何となく、ハマトリアムの可能性をしっかりと感じて来ましたよ。もっと胸を張って協力要請をしていこう(笑)

Today's BGM is
Sonny Rollins/The Best Of Sonny Rollins
166712_1_f ソニー・ロリンズの文脈を外れる感じって何なんだろうと思いつつ好き。あのすべてを置き去りにして行く感じ。誰も反応できずに、ただコードを、ビートをなぞるしかないバンドを尻目に、ロリンズはぶっ放す。それはフリーではなく、セオリーの中に収まりつつも、意表をつく。誰も気づかなかったところに、灯台下暗し的な自由を何食わぬ顔で見つけ、ぶっ切ら棒にぶっ放す。それは親父の屁に似ていて、誰も何も言わない。

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2009年10月17日 (土)

解放弦でかき鳴らせ

解放弦。ギターのコードを押さえる時に、例えばEというコードの場合、3弦の1フレット(以下:f)と、4と5弦の2fを押さえ、ジャラ〜ンとやるわけですが、このとき、何も押さえていない、1、2、6弦がつまり解放弦です。

まあ、綺麗に鳴るわけですよ。なんの余計なものが加えられていないんだから、そういう弦は。

自分の中にもそういう部分をちゃんと残しておきたいなと、ふと思ったんです。

解放弦のような、なんにも押さえられない状態を“ある程度”維持しておきたい。

大人になったものです。

6本弦があるんだったら、最低2本ぐらいは解放でいきたいですよ。

Cというコードは、なんか僕はいじりやすく好きなコードの一つですが。こいつは、5弦の3fと、4弦の2f、2弦の1fというフォームですが、このとき、普通の人は6弦を鳴らないようにしているんですよ、普通の人は、多分。黙ってるの。たまに指が当たると不穏な感じで。

こいつの、2弦の1fを解放してやると、単純なドミソじゃない、なんともいい和音になったりするんです。

ベースの動きをつけたい時は、6弦の3fを押さえるんですが、重みが違うんですよね。なんか発言の重みが増すみたいな。そういう本音を隠していたんだみたいな。なら早く言ってよみたいな音です。

年を取ると語彙が増えていやですね。言い回せちゃう感じが、自分なりにうざい。

清志郎のように、年を取るにつれ、ベイベーだのと抽象化していきたいです。

なんか童話のようなおじいさんの語り口。あれを目指したいですよ。

ハマトリアム・カフェをやっててわかってきたんだけど、みんな言ってること同じなんですよ。語彙の選択が違うだけで、同じこと言ってるの。

正解のない仕事をしてんだって、ずっと思ってたけど、同じ言い回しをしてないだけで、シンプルな正解が実はあるような気がしてきた。

それを教えちゃわないで、ふとした拍子に、あれって、気づかせる感じでハマトリアム・カフェはいきたいね、とデザイナーとさっき話してた。

解放弦でかき鳴らせ。

Today's BGM is
Wings/Venus and Mars
Venusandmars 白状しようよ。みんなウイングスの前にポール・マッカートニー&とか入れて、iPod内でちゃんと並ばせているでしょ?してない?嘘だあ。この天才のソロをボチボチと後追いしてます。なんかジョンやジョージはジョンとジョージとして聴けたんだけど、ポールだけは耳がビートルズを引きずっちゃって。このアルバムもどこかアビーロードのB面を思わせる。「Love in Song」。これってポールのジョンごっこじゃないかな?ジョンがこの歌を歌っているのを想像してごらん。そういうポールが好きなんだけど。この深読みされちゃうところがポールの不幸なんだろうな。

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2009年10月14日 (水)

情報格差を埋めるICTの活用を考える

昨日、NPO法人横浜コミュニティ・デザイン・ラボの常務理事の杉浦氏と、ハマトリアム・カフェ用の対談をしました。写真はラボの活動拠点であるZaim前。後ろのおじさんは知りません。Img_4715

そのテーマがICT(Information and Communication Technology)の活用。情報コミュニケーション技術についてです。記事は明日から三回の連載で、アフター・アワーズというコンテンツでアップします(アップしました)。

このICT。横浜に来た頃はなんのこっちゃという感じでしたが、杉浦さんやお隣りの社長、ハイパー非常勤イナミーにご教授いただき、スカイプやらツイッターやら、そういう表層のことだけですが、なんか実態を感じれるようになりました。

リテラシーが上がったわけです。で、他の何かが上がったかどうかは検証中ですが(笑)、教えられる機会よりも教える機会の方が格段に多くなってますね。それは言えます。

このICTを上手に支援者が活用できるようリテラシーを上げることにより、内にいながら外の情報の中に身を置くことができるだろうと。

視点を変え、内と内のコミュニケーションがスムーズになることで起こる進化も期待できないかなと考えたりします。

それが支援者のエンパワーメントとなり、若者に伝わっていくだろうと。

これが100人のニートを支援することより、一人の支援者を支援した方が、効果は高いという、仮説をアクションに変える方法の一つだと考えてるわけです。

まあ、そういう商品は開発され流通しているわけだけど、活用という段階にはまだまだ未開拓な領域は多いのではないかと思うんです。

特に医療分野以外のソーシャルなジャンルでは、個人情報の問題や、IT環境などにより、相当出遅れていると思います。

その象徴がひょっとすると公立の学校なんじゃないか、なんてことを思うのです。

ちょっと前に、情報格差が先生たちの成熟度に影響を与えているということを書きましたが、まさにあれを確信に近づけていく作業が続いてるわけです。

自分の中で点が線になり、朧げな輪郭を持ち始めてます。

それが話ながらだったり、こうしてブログを更新しながらだったり、ほんと、リアルな感触を伴いながら成長しているという感じ。

さて、それをどんな技術を使ってやるのか?

事業化を視野に入れながら考えていきたいと思います。

Today's BGM is
The Nitty Gritty Dirt Band/Will The Circle Be Unbroken
Tyvyu_632009_l これはNGDBというバンドのドキュメントですね。カントリーやブルーグラス界では大御所な方々をお招きしたセッションで、曲の頭でのリラックスした音合わせ等がなんともいい雰囲気で収録されています。LP3枚組、リマスターCDだとなんと58曲。垂れ流しでこの手の気分に浸るにはぴったり。ディランとバンドの、或はバーズの「You Ain't Going Nowhere」がね、やっぱそうやんだって感じで奏でられてます。チャーリーおじさんもいいけど、長く聴けるのはこっちかも。

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2009年10月12日 (月)

「野菜を作る」スキルと、「野菜を売る」スキルはまったくの別ものだと知る

僕は、いろんな人に出会うことが多い方な仕事なんですが、こないだ、ちょっとこれまで会ったことのないニュー・タイプの方にお会いしましたんで(笑)、ちょっとイベント告知も兼ねて紹介したいと思います。

イベントは、ハマトリアム・カフェ ヨコハマ・エコ・スクール(YES)のコラボ企画で「地球を見つめ直すと自分が見えてくる」という、環境やエコに関わる活動をされている方の話を若者に聞いてもらいながら、自分の将来を考えるきっかけにして欲しいというトーク・イベントです。

今回のゲストは若き農業家の村田幸一さん。

とだけ聞かされていて、会いに行くとほんとに若い!農業専門学校を卒業した翌日から農業に携わり2年目という22歳、茶髪にごっついネックレスをしたイマドキの若者でした。

ごつい身体を小さく丸め、平身低頭名刺交換しながら「名刺作らないとやばいなあ…」という言葉と照れ笑いにナイスガイな人柄が出ていました。

はじめて知りましたが、シェアコロの事務所のある横浜市都筑区は、小松菜の名産地なんだそうです。村田さんは、そこで12代続く農家で、祖父と父とともに農業をしています。朝4時に起床し、畑に出て、朝7時には販売所に納品し8時には販売開始という日々。

「朝起きれないとか言ってんじゃねえよ!とか言っちゃっていいですか?」(村田さん)
「まあ、空気読みながら進めましょう(苦笑)」(僕)

そういうキャラです。

簡単に農業を言い表せば「野菜を作って売る」ということですが、村田さんの話を聞いていてつくづく思ったことは、「野菜を作る」スキルと、「野菜を売る」スキルはまったくの別ものだなと。これも言わずもがななことですが、やはり考えたことなかったので驚きです。

これまでは、この「売る」の部分を農協が担っていたわけですよね(ちょっとこの辺勉強不足ですが、農協という存在には関心あります)。

でもって「野菜を“ただ単純”に作る」スキルはある程度確立されているというか、教科書のあるものですよが、村田さんのこだわりはただ作るののではなく「何を作るか」で、これまで、クウシンサイスティックセニョールなどをヒットさせてきました。また、村田さんは、珍しい物を作っても食べ方がわからなければ売れないので、食べ方の提案までされています。

ここで「ヒット」という言葉を普通に村田さんは使うわけですが、やはり売るというところに面白みを見いだし、ある種のアイデンティティを燃やしている感じに起業家という言葉が浮かんでくる人です。

でもって、商売というものびエッセンスを至ってシンプルに理解させてくれるところに魅力を感じました。

直売所の日常を聞いていると、農家のおじいちゃん、おばあちゃんたちの売り方というもlのに、どうやら工夫がない。そこで村田さんは、いろいろな試行錯誤を、地域社会に配慮しながらしているわけです(笑)。この辺、色々面白そうです。

ここで全部書いちゃうとアレですが、直販所には150人の生産者が登録していて、まさにしのぎを削っているわけですが、同じ小松菜でも、若い村田さんがニッカポッカでポーズを取った写真があれば記憶に残るわけですよね。こういうことも戦略的に考えながら、横浜市の一流ホテルに納品するに至っているんです。

凄いなあ。

でもって、これまた当たり前なことでしょうが、消費者の口に入るものを作っている、ということに対しての責任感が随所で感じられたことも、立派の一言でした。

ちょっと僕のメモですが、当日聞いてみたいことをリストアップすると。

  1. そんなに朝早くから仕事しているけど、夜遊びとかしたい年頃。どうしてますか?
  2. 販売形態が多様化してきている今日ではなく、農協とのガチガチな関係だったすう10年前に農業をはじめていたら、どうだったと思うか?
  3. 「一歩間違えたら、自分もニートだった」その紙一重の違いは何か?

当日は、僕と村田さん、それにワタミ(株)の農業部門を経て、農業法人OFFICEまごのての代表、石井さんをお招きして、いろんなことを聞いてみたいと思っています。

いまブログを読んだら、非常に刺激的な内容でした。楽しみです。

現在、場所の選定等着々と準備が進行していますが、横浜市都筑区仲町台周辺になると思います。日程は、11月29日の午後1時半。お近くの方がいらっしゃれば是非お越し下さい。

Today's BGM is
The Police/Synchronicity
22 僕はトリオが嫌いです。自分のバンドでギターが抜けてトリオになっちゃった時なんかはほんとブルーだったな。だからスティングはソロになってからの方が好きなんです。「ブルータートルの夢」なんかはよく聴きましたが、なんかつかず離れずな存在で。スティングの声にだけ惹かれて、曲に惹かれないというか。「Every Breath You Take」これはやっぱ別格で。青春時代の思い出でもあるし、どうしても聴きたくなる。スティングの決定的な一枚ってどれなんでしょうか?

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2009年10月10日 (土)

『累犯障害者〜獄の中の不条理〜』を読み思う

何年か前に、法務省のお仕事で保護司の方々への講演をしたことがありました。410302931501_sclzzzzzzz_v40026584_

その会の冒頭、法務省の方から、出所後の再就職と再犯率の関係についての説明がありました。

簡単に言えば、ご想像の通り、出所後に仕事にありついてる人たちの再犯率は非常に低く、ありつけなかった人たちは非常に高いです。

想像に難しくないこの事実ですが、想像したことなかったので、非常にショックを受けました。

その後、その会で知り合った数人の保護司の方々とコンタクトを取り、自分自身のスキルを活かせないか、などと考えていた時期がありました。

その頃、顔なじみのケースワーカーから、山本譲司さんの『累犯障害者』を紹介されていたのですが、読むきっかけがないまま今日まで来ましたが、ついに読みました。

一般の方々よりは、障害者を取り巻く現状を知っているつもりでしたが、ここまで壮絶な現実がこの日本にあるとは…、絶句。

僕は、昔に支援したある青年を思い出しました。

生活保護世帯で、一度、住居不法侵入で少年院に入っていたことのある青年です。

会う前は、所謂札付きのワルを想像し、こちらも相当緊張して接見したのですが、目の前に現れたのは、小柄で人懐っこい、恥ずかしがり屋の青年でした。

付き合いが進むうち、彼は軽度の知的障害があるのではないかと思うようになりました。

ひょっとすると、彼の中では他人の家と自分の家の境界がかなり曖昧にしかわかっていないのではないか?

そういう思いが強まったある日、福祉事務所の方々とのケース会議で、知的障害の可能性を感じている職員はいないか、質問したことがありました。

驚いたことに、担当のケースワーカーは、彼が危険物取り扱いの資格保持者だということを理由に、知的障害の可能性を否定したのです。

この時に感じた福祉行政の脆弱さが、『累犯障害者』を読み、氷山の一角に過ぎないということがわかりました(その後の法改正でどの程度、改善されたかわかりませんが)。

本書終わり間際に、日本の知的障害者が459000人であるというデータに対して、山本譲司さんの見解が紹介されていました。

人類における知的障害者の出世率は、2〜3%といわれている。459000人だと、我が国の知的障害者の出世率は0.36%ということになる。459000人は障害者手帳を取得している人の数であり、本来的には240万人から360万人いてもおかしくなく、いかに福祉というセーフティーネットの網の外に知的障害者が生活しているかと。

僕もそういう若者にいっぱい会ってきましたので、山本譲司さんの仮説は定説であるであろうと支持いたします。また、発達障害のある方の就労の困難さを痛感している身として、出所後の再就職と再犯率の因果関係は胸が詰まります、

網の目が1番強固でなければならないはずの教育の現場から、こぼれ落ち、見放されている現状に対して、今後少し考えを巡らしていきたいと思いました。

書きそびれていましたが、『発達障害の子どものユニークさを伸ばすテクノロジー』という本 も読みました。彼らの必要としているテクノロジーは相当ローテクです。しかし、それを受けれる社会的土壌、所謂ノーマライゼーションという価値観がまだ日本には根付い80582961ていないないというのが問題だと思いました。

また、『累犯障害者』の中で、ろうあ者の問題も取り上げているのですが、そのなかで、聾学校では「1+1=2」と理解することよりも「いちたすいちはに」と言えることの方が重要とされているというエピソードを読み、上記のテクノロージーの本を思い出しました。

福祉国家とは何か?

いろいろ考えちゃうなあ。

Today's BGM is
Creedence Clearwater Revival/Bayou Country
B000000xca01_sclzzzzzzz_ 皆さんCCRはどうやって楽しんでいます?レコが安いんでほぼアルバムで持ってますが、もっぱらCDのベストで済ませてます。時代であんまり変化ない連中だから、またベスト盤がすんなりくるんだ(笑)で、たまにアルバムを聴くとガツンと来ちゃって、やっぱアルバムだなと。このバンドとしての一体感あるグルーブは最高だ。「Penthouse Pauper」とかさ、もうどうにでもして〜と虚脱します。

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2009年10月 6日 (火)

シャッフルという出会い直し

昨日のBGMにも書いたけど、今、僕のiPodには一万三千曲以上の曲が入っています。

アルバムには聴きの浅さ深さがあるけど、当然のことながら僕の頭の中には、すべてのメロディとタイトルとアルバム名が記憶されているわけではないです。

それらがシャッフルされて、止まることのない波のように、僕の鼓膜を代わるがわる打ち付けてくるわけです。これは、アナログ時代には有り得ないテクノロジーの一つですよね。

そして訪れるのが、快楽の音楽的錯誤。

ジャミロクワイ?いや、ジョニ・ミッチェルだよな。違ったスティービー・ワンダーだったか!

ジャクソン・ブラウン?こんなカッコイイのあったっけ。え、ノラ!ってことはリチャード・ジュリアンか。なんだリトルウィリーズかあ。

こんなことの連続で、そこそこだった曲が名曲に格上げされていく。まさに音楽との出会い直しをしているよう。

いまだに、中学から高校にかけて擦り切れるまで聴いたレコードは、超イントロドンですが(古っ)

前置きが長くなり、音楽に興味のない人には退屈でしたでしょうが、何が言いたいかというと。

人同士の出会い直しの機会があるといいよね、人間シャッフルがね、と。

毎年、奇跡的な盛り上がりをみせる我が団地の運動会や夏祭りなんかが、ある意味、伝統的な人間シャッフルな場だったわけですが、昨日のブログで書いたように他人事が完璧に他人事な人も多く、よくよく見てると、いつも盛り上がってるのは同じママさん。

シャッフルされてないんです。

今年の夏に、こんなことがありました。

道路一本で隔てた隣の団地の夏祭りに参戦したところ、盆踊りの振り付けが違うから、踊りの輪に入れないと、我が団地の女子供がジタンダを踏んでいるんです。

きよしのズンドコ節のような最新ヒットチューンの踊りが違うだけならまだしも、スタンダードの炭鉱節なんかも違うのですよ。

いいじゃん、いいじゃん、とけしかけるんですが、女子供の間で何か勃発の恐れがあるのか、踊らずじまい。

こんなところにも情報細分化の弊害か? みたいな。

現代社会は、人間シャッフルの機会を失っていると言いたいんです。

ぐっと仕事モードに切り替えますが、定時制高校の授業を拝見していると、クラスがヤンキーとヒッキーで二極化しているように見えます。

恐らく、もっと複雑なタイプ層に別れるんでしょうが、話を聞くと、同じクラスメイトと話をしたことがない人が相当いると。

お気づきでしょうか?

はい、メイトじゃないんです(メイトってなんだ?)。

でですね、私、こいつらをシャッフルしちゃえと思い、そういうワークショップをしてみました。

結果はなんともいえませんが(苦笑)、コンセプトとしては、話したことない同士なんだけど、実は同じゲームにはまってるとか、共通の趣味や興味を発見することで、一人で下校してた生徒が、二人で帰るようになって、その結果中退率が減った、なんていう美談な成果を期待したワークショップでした。

まあ、現実はそんなに甘くないわけですが、シャッフル=出会い直しというコンセプトは、団塊の世代の地域デビュー等、様々なシーンで発想が流用可能なんじゃないかと思うわけです。

買っただけで安心して、あんまり聴いてなかったり、第一印象が悪くて聴かず嫌いだったりしてるCDありませんか?

出会ったような気になってるだけでまだちゃんと出会ってない人が、近くにいませんか?

一時期、リセットという言葉をよく使ったけど、シャッフルに切り替えよっと。

Today's BGM is
Bobby Charles/Bobby Charles
7d7f5947 これは福生に越してきた24のとき、当時あった「グリグリ」というバーで知ってはまったアルバム。個人的にはスイカを食ってる裏ジャケの方が表な感じ。ザ・バンド辺りから入る感じでしょうかね。この鷹揚なノホホンなフィーリングはなかなか凡人には出せませんよ。黒人のようなという形容が良くされていますが、なんとも解せません。デビュー当時はそうだったのかな?「Small Town Talk」のためだけに買っても損はしません。残念ながらシャッフル登場は今までありません。

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2009年10月 5日 (月)

他人事を自分事で考える

タイトルは、ハマトリアム・カフェの新コンテンツ「ラウンジミーティング」の予告キャッチに使おうと思って温めていたものです。

なんだけど、どうも簡潔に語れないんで。こっちにその気分をダラダラ書いておこうと思います。

テレビの中の他人事には「最近涙腺弱くてさ」と涙を流すが、ご近所さんのことには無関心。あ、これ、正直僕です(苦笑)

でも、みんなそうじゃないっすか?

コミュニティの崩壊とかって、他人事が本当に他人事になったってことなんじゃないのかなあ?

そんなことを思いつつ。これはちょっと置いといて。

若者の支援をしていると、結局、地域の力に頼らざる得ないことに痛感するんですよ。例えば、日夜相談にのっているこの僕の言葉には暖簾になんとかだったのに、インターンシップから帰って来たら目の輝きが違ってる。なんてことがよくあるんです。

話を聞いてみたら「おまえならこの業界で食っていける」と言われたとご満悦。

そこで一句。

その言葉 昨日俺も 言ったじゃん…(# ̄З ̄)

そうなんですよ。同じ言葉でも、言う人が変わるだけで、言葉というやつは響きが変わるんです。

僕の持論ですが、言葉の響きが一番弱いのは両親。次が先生(ただし両者の言葉は、人生の成熟とともに後から響きはじめる)。

割と響きの良いのが我々支援者。しかし、我々も同じ釜の飯を食い続ける事で家族化し、力を失って行く…。てことで、最強なのはなんと言っても地域の一般ピープルな方々の言葉なんですよ。

この人たちが他人事を他人事としてしまうことの勿体なさ。正確には他人事を他人事のようなそぶりをしている切なさが勿体ない(あ、置いといた話を戻しましたよ)。

地域に出て、インターンシップの受け入れを商店や企業にお願いして回ると、実はみんなお節介焼きだったり、誰かのために何かしたいんだけど、そのきっかけがなかったりしてるだけ、という人が実に多い。

ちなみに「善意のアウトプットを持たない未知のボランティアーに、ウェブ上にアウトプットを用意する」というリソースの発掘がシェアコロ立ち上げのコンセプトにあって、それはこのような経験が下地にあるんです。

ああ、ダラダラしてていいなあ、ここは(笑)

うん(変に納得した感じを表現してみました)。

ですから(これ以上書かなくても、もうあネタばれしてる感もあるし、わかるよね、という思い込めてみました)、

他人事を自分事に変える装置を編み出せば世界は変わるんじゃないかと…。

「…」(これはちょっとでかく出過ぎたかな、という意味が滲んでます)

まあ、その志しはありますよ。

そういう思いをはじめて直接的に狙って企画した企画が、今回のラウンジミーティングの下地となった市民ケースカンファレンスというワークショップです。

これは社会的な実験だと僕は思います。是非、皆さんにも参加してもらいたいです。

誰かのことを真剣に考えてると起こる現象があります。これも大事なことなんですが、なんだと思います?

それは「自分はどうなんだろう?」という自問がはじまるんです。そのとき、人はちょっと成長することができる。この仕事の醍醐味だと僕は感じています。

そう、他人事を自分事にしながらみんなが相互に成長していく。なんかとてもピースフルな感じですよね。そういうのやりましょうよ。

ここまで書いておいてワークショップやコンテンツの内容に触れていないことに気付いてしまいました。

ま、それはまた次回、ちゃお(汗)

Today's BGM is
Steely Dan/Pretzel Logic
Steelydanpretzellogic (恥を忍んで)正直、聴きが浅いなんだけど、シャッフルという技術が、浅聴きのアルバムにスポットを当てるんす(笑)。「Monkey in Your Soul」がいきなりかかって、誰!?となったわけです。コレクションの記憶を辿るわけです。そこで誤変換する脳。この場合、デビッド・ボウイに辿り着いちゃって。かっちょいいじゃんボウイ!とか思ってアルバム名をチェックしたらこれだったと。それから大好きです。シャッフルという名の出会い直し。

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2009年10月 1日 (木)

定時制高校改革!?

昨日は戸塚高校定時制で、ちょっと画期的な瞬間に立ち会わせていただいた。

瞬間で終わるものではないので、今後も何らかの関わりを是非持ちたいと思うものだった。

今、放送大学の宮本みち子先生を座長とした研究会(?実は詳細よくわからずお招きいただいた)が戸塚高校定時制を学術研究しているんです。

で、これだけでも画期的なのですが、これを学術研究で終わらせることなく、この人たちは政策レベルにまで引き上げていこうという意気込みです。

この日も、横浜市の政策課の方々がいました。

中退者へのサポートがまったくない現状において、教育的と実学的の狭間の学習機会を彼らに保証することが、国家レベルでの課題だと宮本先生はお話しされていました。宮本先生の声高にならない感じって、なんかいいです(笑)

また、NPO法人K2インターナショナルの岩本真実さんもこの研究会のメンバーで、日頃から戸塚高校定時制にも深く関わっているので、実効性も期待が持てます。

非常に期待感の持てますが、法政大学の樋口さんや、静岡大学の津富先生など、親近感の持てるメンバーが嬉しい感じです。

昨日は、一年生と四年生に実施したアンケート調査の結果を、30名の先生方に聞いていただき、数値化されない実感値との擦り合わせが行われていました。

デリカシーな問題を抱えた生徒たちに実施する非常に難しいアンケートだったと思います。

また、宮本先生もおっしゃっていましたが、重い課題を持った生徒が中退した後の四年生と、一年生の比較調査にどの程度の意味を抽出できるのか?

まあ、そこのギャップを埋めるために設けられた会であり、今後、生徒と教師にヒアリング調査が行われていくとのことでした。

話された内容に関しては諸々大変なんで割愛しますが、僕の感想を。

定時制高校はもはや昼間働く若者の受け皿ではなくなく、昼間の高校に行けなかった若者のセーフティーネットである。

このことをポジティブに受け止めるところから、定時制高校改革が始まるのじゃないかな?

恐らく、定時制高校否定派の方々は、前者を指して用無しとしており、肯定派の方々は、後者を受け入れ、その方向にしっかり舵を切ることを望んでいるのではないかな?

実際、相当数の生徒が中退していくので、セーフティーネットとしては、随分と目が粗いと言わざる得ないわけで。

この辺り、今回の調査、研究から方向性が立ち、定時制高校の先生が身につけるべきスキルとか、NPOとの連携体制とかが浮かび上がると、いいなあ。

今の戸塚高校定時制の先生たちと、この研究チームならいけそうかもって、僕は期待しています。

ちなみに、ハマトリアム・カフェでも戸塚高校定時制を追っていますので、興味を持たれた方はこちらをどうぞ。

Today's BGM is
Sketch Show/Audio Sponge
Img_199252_20015026_0 言わずもがな、なのか、言わなきゃわからないのか、世間的には微妙なお二人なのでしょうか?僕は小学生の頃からのお付き合いで、最近、特にユキヒロさんがよくて。YMOも今聴くとかなり深くて。変な言い方ですが、アコースティックに疲れると、こいつを聴いてます。「Wilson」というブライアン・ウィルソンをオマージュした歌が大好きです。いつまでも尖ってますねえ!こんなお馬鹿もしてくれてるし(笑)目指します!!

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