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2009年11月8日 - 2009年11月14日の3件の記事

2009年11月13日 (金)

若者自立塾廃止を思う その1

事業仕分けにより、若者自立塾事業が廃止になった。自立塾が始まった当時、僕は全国で真っ先に自立塾を開所した塾の副塾長であった。

三ヶ月の合宿型という期間付き支援は、毎月別れがあるわけで。がっつり寝食をともにした若者たちとの別れに何度泣いたことか…。あの頃、卒塾パーティーと呼んでいたパーティーで歌ったオリジナルの歌があるほど、入れ込んで仕事してた。ようやく、日本の支援体制が整っていくんだという実感があった。

去年は、若者自立塾のワーキンググループの委員にも就任し、三ヶ月の合宿期間をを六ヶ月に延長させる議論を延々してきていた。そんな自立塾がなくなるのは、なんとも悲しい。

あそこを旅だって、今元気にやってる連中が確実にいる。あそこがなければ未だに家で引きこもっていたであろう連中。いろんな顔が脳裏をよぎる。僕の会社には自立塾の卒塾生がアルバイトで生き生きと働いている。

まあ、費用対効果という話に尽きるのだろうが、想定利用者1200人が490人、我が国にニートは64万人いることになっているので0.1%未満。そこに3億7500万円。利用者が集まらない=ニーズがないということが最大の廃止の理由だと思う。

ここら辺の大人の無理解がそもそもの失敗なんだと言いたい。彼らに取っては、行きたくても行けない場所、或は行きたくないが行かなければ救われない場所、それが若者自立塾なんだと思う。ここに仕掛けが打てなかったのが最大の敗因だろう。

彼らに取って、この指と止まれで飛びつけないのが自立塾なのである。ただ、これは一部のマニア向けの話かもしれない。

自立塾を知っている親、当事者がどれだけいたのか?認知度テストでもしたデータはないのかな?

例えば、若者自立塾をよく知らないニート、ひきこもり支援者もいっぱいいる。それが同じ厚生労働省管轄のハローワークや若者サポートステーションの職員が、ということもざらにある。

知らないから利用しない、知らないから紹介しない。若者自立塾を運営していたとき、陸の孤島に居るような孤独感を味わったのを思い出す。

なんで厚生労働省は事業パートナーとして、アイドルでも起用してCMの一本でも打ってくれないのか?中吊り広告等のキャンペーンをしないのか?説明会を開催しても人が集まらないことがよくあったが、その度に思った。

保護者からは「もっと早く知っていれば」という声を良く聞いた。

廃止ではなく、予算を上乗せし、広報に力を入れるべきだったと思う。或は、成果の低い自立塾を閉所し、その分の予算を成果を上げている自立塾に回すという成果報酬制にし、ためらう若者を誘導するアウトリーチのスキルを共有化する。そんなことが必要だったのではないかと思う。

今後、サポステにアウトリーチ機能を持たせようという動きがあるが、どんなにアウトリーチして誘導しても、通所型の弱みである「好きなときに行けばいい」では、次回以降の継続利用は経験上あり得ない思う。やはり、アウトリーチした若者は、朝起きたらそこが支援の場であることが求められるのである。アウトリーチしなければならない人だったんだから。

あれこれきりがないが、今後、検証していきたいと思う。

NPO法人育て上げネットの理事長工藤啓氏のブログ
若者自立塾の実施団体であるNPO法人侍学園の理事長長岡氏のブログ
NPO法人教育研究所 若者自立塾宇奈月寮のみんなの日記
K2インターナショナルY-MAC岩本日記

現場の声、聞いて欲しかったです。

Today's BGM is
Ry Cooder/Paris, Texas(OST)
12779 何度聴いたことか。スライドギターに目覚めた時に、確かバイブル的に勧められたかして。『クロスロード』というサントラもありましたね。邪魔にならない、アンビエント差が心地よいんですよ。無理なく没入できるというか。録音もよくて、弦をスライドバーで擦る音、ボディーにぶつかるバーの音、揺れる弦。聴き込めるし、放っといてもくれる。ニックロウと来日中です。そのくせ映画はまだ観ていない。

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2009年11月10日 (火)

引きこもりブログを読んで思う

昨日、夜中に目が覚めて、ベッドで悶々としているのも建設的じゃないと思い起きた。

PCに向かい、R25に出ていた「夫(スペース)」とGoogleに入力してみた。

真っ暗闇の中で光るモニターに映し出された予測変換第一位は、見事「死んで欲しい」だった。

「妻(スペース)」では「誕生日 プレゼント」である。悲しすぎる現実を目を擦りながら受け入れることとする。

では、という感じで「引きこもり(スペース)」と入れると、「ブログ」という意外な予測変換が現れた。

検索されたブログの一つに訪れてみた。考えてみたら、引きこもり中の若者の部屋や、家を出て来てからの彼らには、いっぱい付き合って来たけど、引きこもり中の人のブログを読むことはほとんどなかったな。

ちょっと迂闊だったなと思いながら、読みはじめる。

最新記事で、上手く書けないし、もはや書くことがないと、終了を宣言していた…。思うようにいかないもどかしさが文章の端々から感じられた。

やる瀬ない気持ちになりコメントを見たら、なぜか引きこもり当事者の母親が場違いに相談していたり、悪ふざけあったりしていたが、応援のメッセージの方が目立っていた。ていうか、普段コメントがつくことのない僕のブログよりもコメントが多い…。ま、いいんだけど(苦笑)

吸い込まれるような独特な文章の“間”に魅力を感じ、過去の記事を読みはじめた。

どうせすぐにまた寝床に戻るだろうと、時系列ではなくカテゴリーで読みはじめた。

これが後で後悔するほど、僕は彼の独白と、真夜中の散歩、野宿旅行というエピソードにのめり込んでしまった。

彼は真夜中しか外出できない。人気を避け続け歩き続けると坂だらけとなり、迷子になるという素朴な教訓が、切なく胸を打つ。

彼は家族の誰かの使われなくなった携帯カメラをある日持ち出す。でも、そんな夜中の被写体は街灯だけ。

真っ暗闇に朧に浮かび上がる街灯や、かろうじて見える満月が続々とアップされていく。それらは異様なほど儚い。

小学生二年生から、他者とのコミュニケーションの出来なさを実感し、高校二年からは一切のコミュニケーションを絶ち卒業と同時に引きこもり。

今年八年目というから26歳くらいの青年か?

真夜中の徘徊しかできない彼にとっての精一杯の目標は、昼間に電車に乗り繁華街に出ることと綴っている。

就労支援というものを父性的に捉えている人が多いが、このような時期のひたすらな母性的な支えがあった後の、慎重な押し出しということを理解して欲しいと思う。

そんな彼が野宿の旅に出る。コンビニでの買い物が苦手な彼が大量の食糧を家から持ち出し、重さに後悔する様は滑稽でもあるが、ここではじめて曇り空だが昼間の空がアップされる。

ブログ自体が黒一色。僕も暗闇の中で見てたから、この曇り空が眩しかった。涙が出そうになった。顔も身体も映らない彼を想像してみるがまるで想像ができない。

時系列が一気に過去に戻る。全部を読んだわけではないので、前後がわからないが、やむにやまれず三ヶ月くらいバイトを彼はした時期がある。ここら辺のいきさつ、バイト中の彼の心境を改めて読み返してみたいと思う。

そのバイトで買ったのがパソコン。そしてはじめたのが、どうやら僕が読んだブログらしい(リンクを貼るのは迷惑になるかもしれないのでやめておいた)。

その時の彼の望みは、「なんとかこのPCで生活費を稼ぎたい」というものだった。

今、僕の回りで引きこもりと在宅ワークというものが、自立支援の選択肢として有効なのか、という議論がはじまろうとしている。

正直、自分の立ち位置を模索していた。正直多くのリスクばかりを想像してしまい、慎重派という立場を取らざる得ない感じだった。だけど、昨夜、彼のブログを読み、そんな彼らの生きる希望として、自立へのステップとして、在宅ワークという選択肢があってもいいのかと、少し考えた。

今後も彼のブログを見守ってあげたい。可能なら、何か力になれることはないかともいろいろ考え、ハマトリアム・カフェが彼らにとって有益な情報源であるのか、どうしたら有効になれるのかを考えてしまう。そしていつまでも眠れない夜となってしまったのだった。

Today's BGM is
Lou Reed/American Poet
755624 これは2ndの『Transformer』発売後のツアー。海賊版で出回っていたものの正規盤。ヴェルベット時代の名曲「I'm Waiting for My Man」「Sweet Jane」などとのバランスが自然なのが逆にちょっと驚きである。『Transformer』がボウイのプロデュースでグラムロックなゴージャスな仕上りだったものが、スコンとバンドサウンドになった故の馴染みであるが、まあルーですから。このメイクはみんなパクったなあ。俺もしてみたいなあ(笑)

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2009年11月 8日 (日)

若年者就労支援とICT

このタイトルで、検索をかけてみてください。多分、このブログが一番上にヒットするでしょう(多分)。

何が言いたいかというと、同じように「医療とICT」や「福祉とICT」で検索するとそれこそいろいろ出て来るんです。ほぉ〜進んでるなあ、なんて眺めていて、ふとタイトルの「若年者就労支援とICT」で検索をかけたら、まだ僕が最近書いたブログやツイッターのつぶやきがヒットしている状態なんです。

遅れている!

なんででしょうか?これを解き明かすために来年度のとある助成金に応募してみたいんですが、エントリーシートを作成していく中で、気づいた事、感じたことをちょっと書き残しておきたいと思います。

医療現場と福祉現場と、若年者就労支援現場の違いは何か?

医療・福祉現場には厳密な資格や規定があるけど、若年者就労支援の現場にはない。前者には統一されたルールがあるけど、後者には支援団体の独自のスキルや文化で運営されている。ある種の秘伝(クローズ)の部分がある。

最終的にはこの議論に尽きると思うのですが、昨日呑んでてこんな話をしました。

「医者が病気を治し患者を社会に復帰させるのと、支援者がひきこもりの若者を懇切丁寧に支援して社会に復帰させることに違いはあるのか?」

「ない。逆に支援者がひきこもりを社会復帰させた場合、納税者を一人誕生させたという付加価値が生じる」

「なのに、医者と支援者の収入の差が雲泥の差があるのはどういうことなんだよ!?」

「この社会的なステータスの差はなんなんだ!」

とまあ、憤ったわけです。最近、自分の憤りを解決するには、やはり最終的には政治が動かなければ解決しないと思うのです。また、それを現実にする術がなんとなくイメージできるような気もして、なんとか動いてみようよと思うのです。いや、僕が政治家になるわけではなく。

話をこの路線から戻すと、個人情報の高度な取り扱いが、技術的にもモラル的にも発生するわけですよね、ICT導入には。若年者就労支援の業界にはここを支え切る経済的なバックグランドがないということもあるのではないでしょうか?

プライバシーマークの取得から維持管理という流れを想像しただけでも相当負担感が強い。その意識とセキュリティーの強化を鑑みた場合、現状の紙と鉛筆スタイルが効率的であるということになる。のもよくわかる…。

僕は退職するまでの最後の4年間は出向していたわけなんですが、週に一度は本部勤めがあるわけです。この時に一週間分の状況把握をするために目を通すわけですが、これが苦痛。しかも、事後ですからね、今更な感じで。あれを、その瞬間、離れていても見ることが出来れば、夜はこんなことに気をつけろよ、だとか、それならそこにいい人が居るぞ、とかアドバイスが出来たわけですよね。

このロスは非常にもったいないと思うのです。例えば、これをICTの活用で解決出来るわけですよ。

内閣府が、「子ども・若者育成支援推進法」というものを来年度から本格的に取り組むということですが、内容を読んでみると様々な若年者の自立支援に関わる団体の連携が出来上がった上での話になっています。「どのように連携を果たしていくのか」ということは、「どのように情報を共有していくのか」に他ならないと思います。

この辺で、議論が活発に進むといいですね。

Today's BGM is
Beck/Midnight Vultures
Beck_midnight ベックにこういうことをやらせたら、そりゃあすげえっすよ。何をやらせてもあざとい、ちょっとえげつないぐらいにやっちゃう人がベックだと思う。これでボノみたいなカリスマなルックスと言動だと嫌われそうですが、基本インドアなオタク系というところに愛すべきキャラがある。それにしてもアゲアゲの「Sexx Laws」の後半に登場するバンジョー!このセンスがルーツミュージック好きのハートをくすぐるんですよね、いいっす。

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