高校での就職希望者キャリア・ガイダンスに必要な三つの感じ
まとまりの悪いタイトルです…。高校生で就職希望している生徒を一言でいうと何?
高卒という言葉は卒業してから使うわけで。ま、いいや。
シェアするココロで実施している高校でのキャリア・ガイダンスのカリキュラムは、日々マイナーチェンジしながら進化してて。今、この進化をシステマティックに管理することが課題になっています。
進化しつつ、根底には3つのフィーリングを常に意識しているのですが、今日は僕の頭の整理を兼ねてご紹介したいと思います。
1.危機感:これは危機的な現状を認識させ、他人事を自分事に変える作業。ガイダンス前に進路指導の先生からお願いされる第一位がここになります。
ちなみに、ここだけを強烈に刷り込んで後は自己責任で、というのが最悪パターンだと思います。
ここは、教師とか講師とかいう問題ではなく、術を同時に教えなければ、大人として無責任だと思います。
2.納得感:自分もそうですが納得できなければ行動には移さないですよね。この時に、いかに彼らに響く言葉、エピソード、ビジュアルを使うか。
自分が教壇に立たせてもらって彼らと対峙してきた中で、例えば、常套句的な「10年後の成りたい自分のイメージ」や「正社員とフリーターの生涯賃金格差は二億円」というのは、あまり効果的ではないと感じ、使うのをやめてます。
突き詰めると、情報発信者が納得し、リアリティをもって発信しなければまず通じない。
通じたとこから響かせる作業は魂の問題だと僕は思います。ここでしっかり響いておくと、数年後のキャリア・チェンジの際にヤマビコのようにかえってくる(はず)。
だから、シェアするココロの講師は、魂入れて話せるネタを各自に仕込ませます。高校生というのは、そういうことの眼力のもっとも長けた人種だと思います。高校生を侮るなかれです。
3.効力感:納得感で行動準備に入った生徒が最終的に行動に移せた、移せないという違いになるのは、この自己効力感を持てていたかが、大きなキーポイントになると思います。ここには、本田由紀さんが言ってる労働基準法の知識等「抵抗」の部分も入り込むんだと認識しています。
また、昨今、高校生で就職を希望している生徒の大半が本当は進学したかった非積極的な就活者である現実を踏まえると、ただ術を教えただけじゃ重い腰が持ち上がることはありません。
ここで必要となってくるのが「俺にもやれるんだ」という自己効力感だと思います。
でもってここはガイダンスでどうにかなる部分じゃないんですよ。たまにできちゃうと思ってるカリスマがいますが、あるわけないじゃん。あと、そういう無茶な依頼もありますが、ダメだって。
こここそが、日常的に先生が、保護者が、地域が育てる部分なんですよ。
僕らは、データを使って彼らへの可能性を示唆しています。それが、ちょっと前に書いた「キャリア・アップ教育」の根幹になります。
今後、これらの考え方をセオリーとして固めつつ、効果性をどう測っていくかが課題ですね。
じっくり腰を据えて取り組ませてもらえる高校があれば、是非、ご連絡ください。
Today's BGM is
立川志の輔/志の輔らくごのごらく1
BGMというのかな。前々から落語には興味があったのですが入り口がわからずに立ち往生していたら友人がこれをくれて。恐らく最良の入門編にして、スタンダードになりえるのが志の輔さんじゃないでしょうか?電車の中で笑いを堪えながら、どうでもいいとき、どうでもよくなりたいときに聴いています。昨日の「今日のダーリン」で糸井さんがテレビ的なわかりやすさと絶賛されていましたね。僕は「ハンドタオル」が好きです。先日車で聴いたら、これまたよくて。生で観たいなあ、志の輔。
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