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2010年2月11日 (木)

高卒就職者へのキャリア・アップ教育について その2

僕はこの発想を「軌道修正型キャリア・プランニング」とでも言おうかと考えている。ていうか、昨日思いついた。

前回その1を書いて、社内でもいろいろと話題になったり、教育関係者や若年者就労支援に携わる方々から反響をいただいた。

教育関係者の方からは、やはり教師は転職をしない人たちなので、教師にこの発想は皆無であり、キャリア・アップ自体を理解することが相当難しいという指摘がありました。ちなみに教員の採用試験に「生徒への就職指導について」などというものはないようである。

こえは外部講師である自分たちのような人間の役割だと実感すると共に、教師に賛同が得られるのかな、という不安も感じる指摘だと思う。

この不安に対して、北海道若者サポートステーションで総括コーディネーターをしていらっしゃる松田さんが、ブログを見ていろいろと意見をして下さった(ちなみにこれがファーストコンタクト。今後ともよろしくです!)。

松田さんの実践経験からの、学校内でキャリア教育を実施するにあたり、教師との連携のあり方について、以下のような現実的なアドバイスを下さった。

「建築・土木業界では、複雑かつ大規模な工事の場合はJVといって複数の企業が専門性を持ち寄って、工区を分担します。生徒の進路支援についても、基本的な人格形成から情報提供、卒業後のキャリア力(石井様が書かれていたような部分)など、さまざまな要素が絡んできます。先生は今までこれを一手に担われてきたかと思いますが、これからは、これらの専門性を持つ外部人材をコーディネートする役割、工事で言うところの現場監督を担っていただきたい」

同感だ。教師が外部講師に対して警戒心を持つのもよ〜くわかる。教師のプライドや役割を尊重しながら、どう学校内に自分たちのような社会資源を持ち込み、定着させるかが大切なのである。ここの関係が成立していなければ「非日常できっかけを作り、日常につなげる」というテーマが果たせないですかね。

僕自身もいろいろあれから考えたけど、ここでもう一度、なぜ高校生に対してキャリア・アップ教育が必要なのかを整理してみたいと思う。

  1. 三年以内に5割以上の者が離・転職を経験する。
  2. しかし、その際の手段を誰も指導していないし、教師は三年後の生徒の心配はしない。
  3. 教師はとかく終身雇用的“一生働ける会社”を探させようとするが、現在の雇用情勢で新卒者採用の求人はかなり条件が厳しい、或いは製造業に偏りが多く、生徒の興味と圧倒的にミスマッチを起こしている。その中から“一生働かなければならない会社”を探すのは精神的にかなりキツイし、そもそも18歳でそのような決断・判断ができるわけがない。
    ⇒就職諦め組が今年は3万人以上出ている。彼らはフリーター・ニートとなる(21年7月時点で19万1000人いた希望者が11月で16万人に減少)
  4. 生徒は経済的な理由で就職を希望者しており、本来的にはモラトリアムを強く要望している非積極的就職希望者である。よって彼らの閉塞感は非常に強く、希望を失っており、就労モチベーションの維持が困難。
  5. 最初の一社目は最低1年、理想は3年勤める。
  6. よって、今、人生の最終決断を下すのではなく、「27歳までに2回の転職で天職に就く」ために、働きながらキャリアを軌道修正してくという考え方を教える必要がある。

ではなぜ二回の転職なのか?

それは人事担当者が三回目の転職からを「危険」と感じ、二回目までなら気にしないからである(リクナビ調べ)。

ではなぜ27歳なのか?

それはある程度の社会経験により自己理解が進んでいる年齢であり、専門性の獲得に動き出すタイムリミット的年齢である。先程18歳で人生の決断を酷だと書いたが、27歳ではするべきである(27歳成人説とか言い出そうか(笑)。また人生を大きく左右する30代のキャリアを安定的なものにするため最終助走期間の開始であるからである。

ちなみに27歳を過ぎたらダメだというつもりはない。僕はこの業界で仕事を開始したのは31歳で、一生の仕事にしようと今のところは思っているんだし(笑)。

もう少し煮詰めたいなこれ。またまた意見をください。

Today's BGM is
Jesse Harris/Feel
2942 これの「Nobody Knows You When You're Down And Out」がさあ、全然泥臭くなくてよくて。聴き方によってはこの人は白痴みたいな。ちょっと今カバー中。有名なのはECですかね?ドミノス時代からやってて。ドミノスの時は壮絶な感じなのに、アンプラグドではほのぼの。人生は流れるんだなあと沁みます。憂歌団が「ドツボ節」と日本語でカバーしてるのもありますが、何をやっても上手くいかない男の物語なんでしょうね。僕はどの辺で歌おうかな。

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キャリア教育」カテゴリの記事

コメント

私の名前を掲載していただき、ありがとうございます!
転職しながら天職につく、私も全く同感です。
先日、キャリア教育に熱心な中学校の先生が「生徒に進学先だけでなく将来なりたい仕事を見つけさせたい」と仰っていたので、「仕事は第二志望が大事です。そこまで見つけることにぜひ取り組んでください。」とお伝えしたところです。
余談ですが、ハマトリアムカフェにも登場されている“こども青少年局のアノ方”に私はすっかり魅了され、23日のヨコハマユースフォーラムにもお邪魔することになりました。
今後ともどうぞよろしくお願いします!

投稿: 札幌の松田です | 2010年2月13日 (土) 22時31分

松田さん、こんにちは。いつも、有益な情報をありがとうございます!

僕がキャリアガイダンスで高校に行くと、先生から色々と要望を聞くわけですが、先日こんなのがありました。

「仮に最初の1社目に落ちても気持ちを切り替えて2社目、3社目にどんどんチャレンジしていくこと(1社目がダメだと次に行けない生徒が多いため)」というのがありました。

松田さんの言ってる「仕事は第二志望が大事です。そこまで見つけることにぜひ取り組んでください。」と微妙にニュアンスが違うのか同じなのか教えてください。

二つの指摘はとてもなるほどな情報なので、もう少し知りたいです!

ユースフォーラムでお会いできるのを楽しみにしています。昨日書いた記事ですが「つながれる喜び」です!お時間があれば呑みに行きましょうよ!

投稿: 石井 | 2010年2月15日 (月) 08時52分

ダメだったときに諦めずに受け続けるのは、本当に大切ですよね。
高校生が内定をとるための唯一最大の方法と言えるかも知れません。
さらに言えば、そのフォローは落ちる前に、受けると決めた時から始めておくと効果的ですよね。
ただ、私が言った「中学生の第二希望」はちょっとだけ違うニュアンスのつもりです。
職業名ピンポイントで「目標を見つけたから第一段階クリア」というような思い込みを避けたいなと。
自分を始点に、目標の一点だけ結べばそれは線ですが、二点結べばそれは面になります。
その面が持つ「幅」がとても大切なのかなあと思うわけです。
さらに言えば、点を目指すだけじゃなくて、幅の中(場合によっては外)から人生を「選択」して生きていくんだよなあ、というおぼろげな実感が、何より中学生には大切な気がします。

…う〜ん、普段、無意識に私が持っている実感を、まさに石井さんに「言葉として引き出された」感じです。
自分に向き合わせてくれて、ありがとうございます!

長々とすみません、ヨコハマでお会いできるのを楽しみにしております!

投稿: 札幌の松田です | 2010年2月18日 (木) 06時50分

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