「パーソナル・サポート・サービス」モアベターを目指して。
現在、内閣府の湯浅誠さんを中心に進められている「パーソナル・サポート・サービス」(以下PS)というものがあります。詳細はこの辺りをご確認下さい。キーワードは「生活困窮者」への包括的な支援ということになると思います。
現在5つのモデル地区が決定しており、追加で15地区の応募が始まるとのことです。
横浜市では、生活困窮者の中でも特に若年者に特化した形で、NPO法人ユースポート横濱を中心としたNPO等の連合体として「パーソナル・サポート・サービス」を実施すべく調整が進んでおり、本年度12月よりモデル事業として実施される予定になっています。他のエリアは特定の団体が単独で実施予定とのこと。
最近、シェアコロはこの「NPO等」の等によく含まれているのですがw、このPSにもお声掛かけしていただき、私たちの経験を活用していただけることがあればと、ご協力させていただいております。
湯浅さんがよく、PSという組織があるのではなく、就労、福祉、精神、経済、法律問題等の団体や機関に各々所属を持った職能集団だということを言っています。
横浜はまさにこのような職能集団になろうとしています。これが横浜の強味であることは間違いありません。しかし、各自がその道のプロ。持論、哲学な〜んでも持っていらっしゃるw。ここが諸刃の剣とならないのか?
実際に、これまで様々な議論を重ねてきたが、切り口が多種多様過ぎてまとまりに欠けるきらいが横浜にはありました。
そこで、腹を割ってお互いをよく知ろうじゃないか、ということで合宿が企画され、先週末総勢22名で実施されました。
この合宿で、横浜のPSが、職能集団というゴレンジャー(古っ!)になれるんじゃないかと思える時間が最終日ラストのユースポート横濱の鈴木さんが企画した、五人一組でチームを作り、架空のケースについて考えるロープレの中にありました。初日の懇親会でその兆しはばっちりありましたがww。
私は西部ユースプラザの臨床心理士の真澄さん、NPO法人楠の木学園の相談員高橋さん、内閣府でこの事業に情熱を傾ける重徳さん+取材に来てたマスコミの方二名にもせっかくなので参加してもらいました。
正直このチームは若年者就労支援者が3名固まり、その他は非支援者という経験の偏りがあり不安でした。しかしマスコミ関係の方の現場仕込みの知識には敬服しましたねえ!
結局その不安=未知の部分を埋めてくれたのが、この合宿で時間を割いていた各参加者からの事例報告。野宿支援を長年行っている寿支援者交流会の“若手”の高沢さんと、女性DV被害者のシェルターを運営されている方(守秘義務等厳密そうなのであえて名前なしにいたしました)の詳細な事例報告での学びだったのです。
この学びも今回の合宿の大きな目的であり成果です。今後、このような経験値をお持ちの方々がパートナーになっていくというのは、本当に心強いことだと感じました。
さて以下のケース。あなたが相談員として相談を受けたらどのような解決の道筋を考えますか?是非、考えてみて下さい。
28歳・男性・無職。予約なしで来所。比較的話は通じ自分から話せる。非常に疲れて気力のない様子。父親と祖父母と同居しているが、父親がアルコール依存症と暴力であり、現在はからの避難としてネットカフェにて寝泊りして10日ほど経過している。 手元資金がつきてきたため働きたいと思っているが、気力が出ず、実際に就職活動するには至らず困っている。また、どうせ働いても父親に取り上げられ、すぐに使われてしまうと諦め交じりに話す。
どうでしょうか。本当に難しいケースだと思います。僕はつい自分のお金を貸したくなりましたよ。或いはとりあえずは今夜は家に来いとかw。短期的にはそれでもいいかもしれませんが、それでは解決にはなりません。
この場で、答え合わせ的なことは割愛いたしますが、まず、父親への連絡や自宅に帰すべきかどうか、という判断が必要です。そして直近では寝床の確保ですよね。気力がない背景の精神疾患も気になります。また、お金を使われることは父親の借金問題も疑われ、本人名義で借りている可能性もありです。祖母との関係は?いろいろなことを気にしなくてはなりませんね。
支援には答えがあるものではなくモアベターにどこまで近づけるのか、ということだと僕個人は理解していますし、それが現場です。モアベターにするためには各々が専門的知識とスキルを持った職能集団の形成が必要だと、このワークショップを通じて痛感しました。
赤レンジャーが10人いるのではなく、青に緑、黄色に桃wがいるんです。
なぜなら、彼らは若いというだけが共通の状態であるだけで、抱えた困難は十人十色なのですから。きれいにまとめた風なので、この辺でww。
追記:これで横浜のドリームチームが完成したとは誰も思っていないと思います。横浜は広い!まだまだこのチームに参加してほしい人たちがきっとたくさんいます。まずはここからです。
Today's BGM is
Saigenji/Music Eater
爽やかなケンコバじゃありませんよ。こんなアーティストが日本にいるんだという驚きを素直に与えてくれるインパクトがありますね。小林旭のイナタさと日活映画のようなインチキ臭さ。それでいて目が離せない南国的情熱を持っている。ダサカッコいいとはSaigenjiのためにあるのではないかと思う。この人ホーミーをするんですよね。それがこのアルバムの隠し味になっている。ジャミロのディジュみたいに。