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2010年9月の4件の記事

2010年9月27日 (月)

「パーソナル・サポート・サービス」モアベターを目指して。

現在、内閣府の湯浅誠さんを中心に進められている「パーソナル・サポート・サービス」(以下PS)というものがあります。詳細はこの辺りをご確認下さい。キーワードは「生活困窮者」への包括的な支援ということになると思います。

現在5つのモデル地区が決定しており、追加で15地区の応募が始まるとのことです。

横浜市では、生活困窮者の中でも特に若年者に特化した形で、NPO法人ユースポート横濱を中心としたNPO等の連合体として「パーソナル・サポート・サービス」を実施すべく調整が進んでおり、本年度12月よりモデル事業として実施される予定になっています。他のエリアは特定の団体が単独で実施予定とのこと。

最近、シェアコロはこの「NPO等」の等によく含まれているのですがw、このPSにもお声掛かけしていただき、私たちの経験を活用していただけることがあればと、ご協力させていただいております。

湯浅さんがよく、PSという組織があるのではなく、就労、福祉、精神、経済、法律問題等の団体や機関に各々所属を持った職能集団だということを言っています。

横浜はまさにこのような職能集団になろうとしています。これが横浜の強味であることは間違いありません。しかし、各自がその道のプロ。持論、哲学な〜んでも持っていらっしゃるw。ここが諸刃の剣とならないのか?

実際に、これまで様々な議論を重ねてきたが、切り口が多種多様過ぎてまとまりに欠けるきらいが横浜にはありました。

そこで、腹を割ってお互いをよく知ろうじゃないか、ということで合宿が企画され、先週末総勢22名で実施されました。

この合宿で、横浜のPSが、職能集団というゴレンジャー(古っ!)になれるんじゃないかと思える時間が最終日ラストのユースポート横濱の鈴木さんが企画した、五人一組でチームを作り、架空のケースについて考えるロープレの中にありました。初日の懇親会でその兆しはばっちりありましたがww。

私は西部ユースプラザの臨床心理士の真澄さん、NPO法人楠の木学園の相談員高橋さん、内閣府でこの事業に情熱を傾ける重徳さん+取材に来てたマスコミの方二名にもせっかくなので参加してもらいました。

正直このチームは若年者就労支援者が3名固まり、その他は非支援者という経験の偏りがあり不安でした。しかしマスコミ関係の方の現場仕込みの知識には敬服しましたねえ!

結局その不安=未知の部分を埋めてくれたのが、この合宿で時間を割いていた各参加者からの事例報告。野宿支援を長年行っている寿支援者交流会の“若手”の高沢さんと、女性DV被害者のシェルターを運営されている方(守秘義務等厳密そうなのであえて名前なしにいたしました)の詳細な事例報告での学びだったのです。

この学びも今回の合宿の大きな目的であり成果です。今後、このような経験値をお持ちの方々がパートナーになっていくというのは、本当に心強いことだと感じました。

さて以下のケース。あなたが相談員として相談を受けたらどのような解決の道筋を考えますか?是非、考えてみて下さい。

28歳・男性・無職。予約なしで来所。比較的話は通じ自分から話せる。非常に疲れて気力のない様子。父親と祖父母と同居しているが、父親がアルコール依存症と暴力であり、現在はからの避難としてネットカフェにて寝泊りして10日ほど経過している。 手元資金がつきてきたため働きたいと思っているが、気力が出ず、実際に就職活動するには至らず困っている。また、どうせ働いても父親に取り上げられ、すぐに使われてしまうと諦め交じりに話す。

どうでしょうか。本当に難しいケースだと思います。僕はつい自分のお金を貸したくなりましたよ。或いはとりあえずは今夜は家に来いとかw。短期的にはそれでもいいかもしれませんが、それでは解決にはなりません。

この場で、答え合わせ的なことは割愛いたしますが、まず、父親への連絡や自宅に帰すべきかどうか、という判断が必要です。そして直近では寝床の確保ですよね。気力がない背景の精神疾患も気になります。また、お金を使われることは父親の借金問題も疑われ、本人名義で借りている可能性もありです。祖母との関係は?いろいろなことを気にしなくてはなりませんね。

支援には答えがあるものではなくモアベターにどこまで近づけるのか、ということだと僕個人は理解していますし、それが現場です。モアベターにするためには各々が専門的知識とスキルを持った職能集団の形成が必要だと、このワークショップを通じて痛感しました。

赤レンジャーが10人いるのではなく、青に緑、黄色に桃wがいるんです。

なぜなら、彼らは若いというだけが共通の状態であるだけで、抱えた困難は十人十色なのですから。きれいにまとめた風なので、この辺でww。

追記:これで横浜のドリームチームが完成したとは誰も思っていないと思います。横浜は広い!まだまだこのチームに参加してほしい人たちがきっとたくさんいます。まずはここからです。

Today's BGM is
Saigenji/Music Eater
09069018爽やかなケンコバじゃありませんよ。こんなアーティストが日本にいるんだという驚きを素直に与えてくれるインパクトがありますね。小林旭のイナタさと日活映画のようなインチキ臭さ。それでいて目が離せない南国的情熱を持っている。ダサカッコいいとはSaigenjiのためにあるのではないかと思う。この人ホーミーをするんですよね。それがこのアルバムの隠し味になっている。ジャミロのディジュみたいに。


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2010年9月20日 (月)

動画編集事業を始めますよ!まずはNPO法人「育て上げ」ネットへ

お世話になっているNPO法人「育て上げ」ネット(以下育て上げ)さんに、活動紹介DVDの作成のための撮影で、先週の土曜日にお邪魔してきました。

これは、シェアするココロで開始しようとしている動画編集事業のお試し的な取り組みです。

Image1491我々シェアコロが横浜市の委託事業で運営している「ハマトリアム・カフェ」という若者応援サイトの「横浜ジョブトライアル」という、若者がインターンシップをする姿を紹介し、困難を抱える若者たちに「あなたもここでインターンシップをしてみませんか?」という情報をお届けする動画中心のコンテンツがあります。

私たちが、このコンテンツで培った動画編集の技術と、受け入れ企業のロイヤリティを引き出す取材や編集というノウハウを、NPO法人に限らず、広く事業アピールを動画で行いたいというニーズにつなげていけないかというのが動画編集事業を開始するきっかけです。

私たちの事業ミッションのひとつにNPOのエンパワーメントというものがあります。その中には大きく支援者支援という技術的なサポートと、団体の広報支援により利用者や協力者、会員の獲得に貢献することがあり、動画編集事業は後者に当たります。

というようなことを机上の空論として考えてきたのですが、今回、実際に取り組みながら事業の方向性から時間の感覚、料金の設定まで、様々な検討材料を得ることができました。何より、理事長の工藤啓さんの何気ないサジェスチョンがいろいろな可能性の導火線を作ってくれました!(毎度ありがとうございますw)

中でも、NPOのエンパワーメントというものが本当に出来るのか?という最大の疑問が、なんかできそうだぞ、という手応えを感じることができ、大きな収穫となりました。

内容は活動風景を散りばめながら、元利用者2名へのインタビューと、その2名を中心的に支えてきたスタッフ4名へのインタビュー、そして理事長へのインタビューという構成。

こちらの取材クルーは僕と織田という支援者経験チーム。この支援経験があるということで、支援者の内側で温存されている情熱を引き出すことができる。これは、ちょっといいんじゃないか、という手応え。ただ、育て上げは勝手知ったる法人なんで、他の法人でこのようにいくのかという疑問はありますが、ただ、ミッション的にはどこも大枠では一緒ですしね、現場感覚というものはそう変わらないですからね。

早速明日から編集に掛かりたいと思います。出来上がりを観ながら、この事業の可能性をどんどん広げていきたいと思います。

反省を付け加えておくと、僕らにもっと「緊張させない技術」というものが必要だということですね。僕らがいつも素でしゃべっている感じでカメラが回ってるところまでもっていきたい。だって、皆さん、本当にいつも情熱的で魅力的なんですからね。その勿体なさがないのがシェアコロの「売り」。そういう感じ。

工藤理事長がブログで取り上げてくれました!いいkと書いてくれていますので、是非ご覧ください。

Today's BGM is
ネーネーズ/なーらび
118813203220016103926シェアコロ合宿で聴いたネーネーズが頭から離れず、ついにゲットしたのがこれ。どうやらこれが初のアンプラグドなアルバムらしい。それがいい!沖縄の音楽ってどこか打ち込みとかシンセとか、安く済ませてる印象が僕にはあって、そういうのはやだなあと思っていたから。何を歌っているのかは歌詞カード見ないとわかりませんが、染みますねえココロに。こんな感じです。と書いたけどいいのがYoutubeになかったww。


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2010年9月 8日 (水)

シェアコロ・メルマガ 創刊号を配信しました。

実は、メルマガの準備を数週間前からしてて。昨日無事に創刊号を配信することができました。さっそくお祝い?のメールやポジティブな感想のメールが届いてまして、ありがたい限りです。

よくある名刺交換した方に送るスタイルのものです。ある意味、強制的に届いていしまうものなので、気分を害される方もいらっしゃったかもしれません、申し訳ありません。受け取っていただいた方々、今後とも、よろしくお願いいたします。

メルマガですから、当然、在宅ワークでよくある名刺の入力が当然ありますよね。

これはメルマガを大分前から考えていたので、よこはまサポステから来た、ジョブトレ生のこの人たちにコツコツ入力してもらっていました。本当にありがとう!

それでも追い付かず、結局スタッフで手分けして入力しました。

先に書いちゃいますが、これが60件近くエラーで戻って来ちゃって、調べるとほぼ僕が入力した名刺なんですよ…。トホホでやんす。

二度見してたんですけどねえ…。この間違い捜しの手間もさることながら、自分の業務能力の低さに結構ショックを受けてます。

せっかくなので、若者たちのために一つ実証しておくと。

『会社の社長なんかより、サポステのインターン生の方が、よっぽど仕事は丁寧だ。あなたの会社でも受け入れてみませんか?』

このメルマガ、自分がいただいていて嬉しいメルマガを踏襲して、最初に僕のコラムを配置することにしました。

まあ、こんな感じで長くブログも書いているので、なんとかなるだろうと思っていました。

甘かったですねえ、違いましたねえ、このブログとは(苦笑)。

今、僕はすごくイキイキとこのブログを仕事帰りの南武線で書いてますw。多分家に帰り、寝る前にBGMをくっつけてアップするでしょう。正味一時間くらいかな。

メルマガコラムは、例え話を変えたり、落としどころまで変えながら、それだけやってたわけではありあせんが三日かかりましたねえ。

こんな小さな会社でもこれですからねえ、大規模なメルマガをやってる方など、みんなスゲーや、です。

僕のコラムの他には、ハマトリアム・カフェの更新情報と、ライター古屋の振り返り。

キャリア教育の現場で感じたこと、聞いたことを紹介する織田のコーナー。

それと編集後記という構成です。今後事業が拡大していければ、コーナーを広げていきたいと思います。

最後になりましたが、このメルマガの意図や狙いですが、社名である「シェアするココロ」に恥じない「お裾分け精神」に乗っ取り、自分たちの経験したこと、培ったノウハウ、危機感や期待感をシェアすることが意図としてあります。

それが、名刺交換させていただいた異ジャンルの業界の方が、若年者就労支援に興味を持っていただくきっかけになったり、支援団体、個人がつながるきっかけになり、このこの業界をブレイクスルーさせるこてに貢献したい。

たかがメルマガですが、そんな思いで、毎月続けていけたらと思います。

もしも、このブログの読者でメルマガの配信を希望される方がいらっしゃっれば、mailmagazine@sharecoro 宛てに、件名を『配信希望』でメールをお送り下さい。

Today's BGM is
Chris Montez/Best of A&M Years
Amクリモンといえばこいつなんですが、手が出にくい諸兄にはこのダサジャケのベスト盤が丁度いいかなと。クリモンを知らない人たちにはなんて説明すればいいのか?A&Mのお〜…と続かない人です。見た目はバカボン、声は女。いいとこないようですがいいんですよ。この力の抜けた音楽。MORってよく書いてあるけど、なんの略でしょうか?「間違って女かと思ったのでR」違うよね。まあ、聞かなきゃわわかんない人ですww。

今週のオマケ!

久しぶりのオリジナル弾き語り。

うちの社員のフルチンが、この人の取材に行って「窓の数だけ人生がある」という歌を作り、合宿で歌ってくれて、その姉妹曲になればと思い作ったんです。

そんなまったく違う構想で書き始めたのに、高田渡の「ブラザー軒」が心のどこかにあって、奥さんとか恋人に先立たれた男の歌になってしまった。

ちょっとギターがおぼつかない部分があるがまあ雰囲気で。

ぼくなりの昭和フォーク。

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2010年9月 4日 (土)

シェアコロ合宿二日目

二日目の第一部は織田による、スタッフの強み発見ワークからスタート。

Image976_2今回の発見は、コアコンピタンスを左利きの人が書くと「コマコソピタレス」というギリシャ神話に出て来る英雄のようになるということ。左利きの人ではなく、書人が書くとですねww。

織田らしい、ちょっと面白いワークでした。“らしい”というのは、彼のワークは彼の意図していないところで新たな膨らみが生まれることが多く、僕の中でこの膨らみの部分が大きい楽しいワークでした。

こういうオーディエンスが勝手に落しどころを見つけていくものこそがワークショップであるべきであって、流れを作る恣意的な部分からの開放感の中に発見があることがワークショップの喜びですよね。

普段、学校からのリクエストには明確な落しどころが存在している場合が多いのですが、先生方のリクエストに沿った恣意的なレールには乗せるけど、たどり着く駅はみんな違うみたいな。終わってからも、こうして広がり続ける余韻のあるワークでした。

内容は、その人の能力で「売り物」になる可能性を秘めたものを、他者がポジティブに洗い出し、そこに自己評価を加えつつ、感想を言い合い、最後に自己評価と他固評価の間にあるポジティブなギャップを埋めるためのスキルアップ目標を宣言して終わる、というもの。

比較的スムーズにモチベーションが生じるということが最大の魅力のワークでした。これ、もうちょいブラッシュアップして、自己効力感や自尊心の獲得みたいなことをテーマに親子でやるとか、学校でやったら絶対いいワークだと思いました。御社でもいかがですか?

Img_3166_2そしてみんなで作るお昼ご飯。ニローネの住人、甲斐さんのオーディオを拝借、CDラックから「ネーネーズ」をチョイスし、塩焼きそば。築170年、真夏のロケーションでこの選曲は、沖縄へトリップでしたね〜。

午後は、僕のワークです。ここまでのワークでの主語はすべて「私は〜」でしたが、ここからの主語は「シェアコロは〜」です。二日酔いも大分なくなり、ここからが大詰めです。

自分たちの関心のある社会問題の中で生きる人々をブレストで吐き出し、それをマッピングし、シェアコロが事業対象にすべき人々を明確にしていきました。いったんこれまで話してきた事業領域を敢えてチャラにしたんですが、やはり「若者」「保護者」「教師」「支援者」に帰結していきました。新しかったのは「地域」ですが、上記4者が属すのが地域ということで必然な感じです。
Img_3374
そして、彼らの抱えている課題を箇条書きで三つづつ作成したのですが、最初の一行が「夢や希望が持ちにくい社会の中で〜」で全ての領域に当てはまったのが、なんか僕らの胸に突き刺さっちゃって…。「そうか〜」とか「そうだよね〜…」みたいな嘆息がもれてました。

この後、「若者」「保護者」「教師」「支援者」の課題が解決したあとの桃源郷のような世界を明確にイメージし、ミッションとビジョンを明確にする。そして、じゃあ、どうやったらそうなるのか?を考える予定でしたが、ちょっと時間切れになってしまい、今後、毎週このワークの詰めの作業をしていくことになっています。

シェアするココロは今1歳4ヶ月。幼年期の過ごし方がその後の成長に大きな影響を及ぼすというのを僕らは目の当たりにしている仕事をしているわけですが。会社も一緒だと思うんです。この時期、多少何かが滞ってでも、話しておかないといけないテーマだと思います。

まさに㈱シェアするココロという法人格に人格を注入する作業です。これがしっかりしてれば、何かもめてもここに一度立ち返ることができるでしょう。

前に、ここに書いた「シェアコロ・クレド」作りもしたかったしなあ。

Today's BGM is
イノトモ/風の庭
Bebd0cb2申し訳ないけど、普段なら手を出さないジャケです。でも『おやすみなさい』という素敵なオムニバスでいい歌うたってて、最近買いました。中を開けてびっくり、曽我部さん、鈴木惣一朗、塚本功など気になるアーティストが参加してて。大好きなアルバムになりました。ブログを読むとお子さんとのかわいいやり取りなどが素敵です。ミステリアスなアーティストよりも生活が音に滲んでるアーティストの方が好きです。


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