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2010年11月 8日 (月)

真面目君タイプがピンチの時代

先日、某高校の進路指導担当の先生と話していたら、なんでお前がというやんちゃタイプが内定を決めてきて、真面目タイプが内定を取れなくなっている、と聞きました。

ああ、なんかわかる気がするなあと、その言葉をほぼ受け入れました。でも、「子育て」とか「教育」をキーワードにしたら、わかんなくなるなあ、と、同時に複雑な思いがしました。

僕がガイダンスをしていても、真面目に話しを聞いてる従順そうなタイプは、話しをちゃんと聞いてくれるのでいいのだけど、このは大丈夫かなあ、と心配になるんです。

一方「ほらそこ、話し聞いとけよ!」と注意しなきゃいけないタイプは、顔付きもしっかりしてて、バイタリティを感じる子が多いんですよね。なんせ笑顔がいい。

考えてみると、真面目君には真面目君というキャラ以外のキャラがない。このタイプは面接指導をすれば明らかなんだけど笑顔が出ない。

一方、やんちゃ君は面接の時などは真面目キャラにもちゃっかりなれる。でもって笑顔が出るんですよね。

この差だろうな、と僕は読みました。大人が育ててやりたいという“可愛いげ”ってヤツですよね。

今、高卒採用をしている企業はどんな人材を求めているのか。

それはどこまでも手のかからない人材です。だから、去年まで筆記試験を行っていなかった企業が筆記試験を取り入れているわけです。

いや、手をかけるのはやぶさかではない。がしかし、気まで使わなきゃならない人材はごめんだ、ということではないでしょうか。

真面目タイプの彼らは、正直心配ですよ。二人きりになったら仕事柄、「なんか悩みあんじゃね〜の?」と聞いてしまうでしょう。

一方、やんちゃタイプ。大人からしたら可愛いげがありますよね。

前回のエントリーに、札幌でサポステやってる松田さんがコメントを付けてくれました。

「教育は18歳で働くことを前提にしていない」と書いてあり、その通りだと僕も思いました。

まさにこの真面目タイプの彼らですよ。自分だって、こんなに早く社会におっぽりだされるとは思ってなかった、そんなキョトンとしたあどけない顔付きです。

進路指導担当の先生は、真面目タイプには、職業訓練校のようなところで手に職をつける迂回路を用意してあげる必要があると言ってましたが、これこそがまさに、「18歳で働くことを前提にしていない」ことに外ならない事実ですよね。

社会が若者を育成できなくなっている以上、学齢期にどこまで職業的教育が行えるか、ということは大変大きなテーマになっています。

僕は、本田先生の言うところの「緩やかな専門性」、これはキャリア的な言い方をすれば「トランスファブルなスキル」をいかに多く持つかということではないでしょうか。

高校就職組には、進学組(4年猶予組)とは、まるで別な教育が必要だと思います。そういう意味では、進学する気がないなら、商業高校や工業高校に行くべきでしょう(正直、僕は工業高校でしたが、ここをあまり強く言い切るような学校生活を送った覚えが残念ながらないです。しかし、就職率等データを鑑みればそういうことです)。

まあ、真面目という言葉の解釈も様々ですがね。自分の子どもをどう育てるべきなんでしょうかねえ。

「うちの子は真面目だけが取り柄で〜」では通用しないんですよ。ほどよくおバカさんな感じが愛嬌でしょうか(笑)

本当に難しい時代になってしまいました。教壇の上に自分が立つということを、ちょっと真剣に、目をつぶり想像してみてください。

あなたなら、彼らになんて話しかけますか?

Today's BGM is
Jamie Cullum/Twentysomething
Images声というものは、神からの贈り物なのだろうとつくづく思う。この人の声は、賜物という感じがする。このアルバムの一曲目(下のYoutube)の歌いだしを聴いただけで、僕も歌う者のはしくれとして嫉妬する。ノラ・ジョーンズを初めてラジオで聴いた時の感じに凄い似ている穏やかな衝撃があった。是非、皆さんも興味を持っておくといいボーカリストだと思いますよ。


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コメント

ご紹介ありがとうございます。いつも勉強させていただいています。
バイタリティがあるけど不良ではない、規律を守るけれども真面目すぎない、そう考えると運動系の部活に入っている生徒が企業に好まれるのも分かりますね。なるほどです。

「高校就職組には、進学組と全く違う教育が・・」と書かれていましたが、私も同様の問題意識から、一昨日ブログを書いたところです。
もしよろしければご覧ください!シンクロニシティです、きっと。
http://saposute.net/blog

投稿: 札幌の松田です | 2010年11月 9日 (火) 08時50分

松田さん、拝読いたしました。
「削ぎ落とすための技術が訓練されていない」という言葉にドキリとしました。そして同時に、削ぎ落したものへの未錬度というものを考えた場合、私のようにジジイになるとどうって事ないけど、若い可能性多い彼らの未練度は私の比ではないだろうなあという想像に繋がりました。
僕は必ず、学生にキャリアアップの話をしています(ちなみにアップもダウンもないという考え方に賛同してます)。それはちょっとテイスティングに似ているなと。なにも諦める必要ない。可能性は取っておけばいい。食べてみなければわからないんだから、食べてみる。食わず嫌いという例えもいいかもです。
食べてみて不味ければ、次のを食べればいい。しかし、失敗しない買い物がしたければ、一年は最低噛み続けないと美味いかどうかなんてわかならい。そんな話です。
白黒論ではなく、キャリアにグレーンを作る感じ。これはドリフトです。その際に、プランドハプスタンスを忘れないでね、と。
なんとなくそんなふうに自分の中で意識が固まってきていますが、それに松田さんの話が大きなヒントになりました。ありがとうございます。

投稿: 石井正宏 | 2010年11月11日 (木) 09時03分

ありがとうございます。
可能性を捨てるのではなく、取っておくという表現、しっくりきます。
「一度に出せるカードはせいぜい1、2枚なんだから、手持ちの枚数を増やそうとばかりせずに、カードの切り方を身に付けよう。」という私の意見に「いま使わないと決めたカードも、必要なときまで伏せておけばいいんだよ」という安心感を添えたいと思います。いただきました!

投稿: 札幌の松田です | 2010年11月11日 (木) 14時47分

石井さんこんにちは。

私の学校でも石井さんのおっしゃる通りの状態になっています。私も生徒も焦るばかりです。でもいいヒントを頂いたような気がします。ありがとうございました!

投稿: こにー | 2010年11月11日 (木) 17時58分

こにー先生、お久しぶりです!お元気ですか?
時々、あの子たちの顔を思い出し、どうしているかと考えています。
あそこのでの人生をどう肯定していけばいいのか。
希望というものを大人は子どもにどう見れてあげれるのか?
総理大臣は何を考え、どうリーダーシップを発揮していくのでしょうか?

ここ数年で、教育現場がスクラムを組めない体質にあることが痛いほど身に染みちゃいましたよ(苦笑)

でも、それを実現できるのは、内部の人間ではなく外部からの刺激だと思っています。それが自分や自分の仲間たちであること。そんなビジョンを少しづつ固めていきたいとい思っています。

いっしょに頑張りましょう!!

投稿: 石井正宏 | 2010年11月15日 (月) 08時41分

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