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2010年2月7日 - 2010年2月13日の4件の記事

2010年2月11日 (木)

高卒就職者へのキャリア・アップ教育について その2

僕はこの発想を「軌道修正型キャリア・プランニング」とでも言おうかと考えている。ていうか、昨日思いついた。

前回その1を書いて、社内でもいろいろと話題になったり、教育関係者や若年者就労支援に携わる方々から反響をいただいた。

教育関係者の方からは、やはり教師は転職をしない人たちなので、教師にこの発想は皆無であり、キャリア・アップ自体を理解することが相当難しいという指摘がありました。ちなみに教員の採用試験に「生徒への就職指導について」などというものはないようである。

こえは外部講師である自分たちのような人間の役割だと実感すると共に、教師に賛同が得られるのかな、という不安も感じる指摘だと思う。

この不安に対して、北海道若者サポートステーションで総括コーディネーターをしていらっしゃる松田さんが、ブログを見ていろいろと意見をして下さった(ちなみにこれがファーストコンタクト。今後ともよろしくです!)。

松田さんの実践経験からの、学校内でキャリア教育を実施するにあたり、教師との連携のあり方について、以下のような現実的なアドバイスを下さった。

「建築・土木業界では、複雑かつ大規模な工事の場合はJVといって複数の企業が専門性を持ち寄って、工区を分担します。生徒の進路支援についても、基本的な人格形成から情報提供、卒業後のキャリア力(石井様が書かれていたような部分)など、さまざまな要素が絡んできます。先生は今までこれを一手に担われてきたかと思いますが、これからは、これらの専門性を持つ外部人材をコーディネートする役割、工事で言うところの現場監督を担っていただきたい」

同感だ。教師が外部講師に対して警戒心を持つのもよ〜くわかる。教師のプライドや役割を尊重しながら、どう学校内に自分たちのような社会資源を持ち込み、定着させるかが大切なのである。ここの関係が成立していなければ「非日常できっかけを作り、日常につなげる」というテーマが果たせないですかね。

僕自身もいろいろあれから考えたけど、ここでもう一度、なぜ高校生に対してキャリア・アップ教育が必要なのかを整理してみたいと思う。

  1. 三年以内に5割以上の者が離・転職を経験する。
  2. しかし、その際の手段を誰も指導していないし、教師は三年後の生徒の心配はしない。
  3. 教師はとかく終身雇用的“一生働ける会社”を探させようとするが、現在の雇用情勢で新卒者採用の求人はかなり条件が厳しい、或いは製造業に偏りが多く、生徒の興味と圧倒的にミスマッチを起こしている。その中から“一生働かなければならない会社”を探すのは精神的にかなりキツイし、そもそも18歳でそのような決断・判断ができるわけがない。
    ⇒就職諦め組が今年は3万人以上出ている。彼らはフリーター・ニートとなる(21年7月時点で19万1000人いた希望者が11月で16万人に減少)
  4. 生徒は経済的な理由で就職を希望者しており、本来的にはモラトリアムを強く要望している非積極的就職希望者である。よって彼らの閉塞感は非常に強く、希望を失っており、就労モチベーションの維持が困難。
  5. 最初の一社目は最低1年、理想は3年勤める。
  6. よって、今、人生の最終決断を下すのではなく、「27歳までに2回の転職で天職に就く」ために、働きながらキャリアを軌道修正してくという考え方を教える必要がある。

ではなぜ二回の転職なのか?

それは人事担当者が三回目の転職からを「危険」と感じ、二回目までなら気にしないからである(リクナビ調べ)。

ではなぜ27歳なのか?

それはある程度の社会経験により自己理解が進んでいる年齢であり、専門性の獲得に動き出すタイムリミット的年齢である。先程18歳で人生の決断を酷だと書いたが、27歳ではするべきである(27歳成人説とか言い出そうか(笑)。また人生を大きく左右する30代のキャリアを安定的なものにするため最終助走期間の開始であるからである。

ちなみに27歳を過ぎたらダメだというつもりはない。僕はこの業界で仕事を開始したのは31歳で、一生の仕事にしようと今のところは思っているんだし(笑)。

もう少し煮詰めたいなこれ。またまた意見をください。

Today's BGM is
Jesse Harris/Feel
2942 これの「Nobody Knows You When You're Down And Out」がさあ、全然泥臭くなくてよくて。聴き方によってはこの人は白痴みたいな。ちょっと今カバー中。有名なのはECですかね?ドミノス時代からやってて。ドミノスの時は壮絶な感じなのに、アンプラグドではほのぼの。人生は流れるんだなあと沁みます。憂歌団が「ドツボ節」と日本語でカバーしてるのもありますが、何をやっても上手くいかない男の物語なんでしょうね。僕はどの辺で歌おうかな。

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2010年2月10日 (水)

藤原和博氏の『つなげる力』を読んだ

51ejjbqtscl原和博氏の『つなげる力』を読んだ。藤原氏の「よのなか科」は、まさに教育が職業的意 義(本田氏)を生徒に教えている取り組みなわけだが、教える主体が教師ではなく、町の人々という点で発想が大きく変わる(本田氏は誰が教えるべきかまで言及していなかったように思うが)。

この本で、藤原氏が日本型詰め込み教育で身につけさせようとしていることを「情報処理力」とし、目まぐるしく変化する社会には向かないとしている。

現代社会には、OECDのPISA型学力が必要だとし、これを称して「状況編集力」としている。

要するに、たった一つの正解を導くのではなく、いく通りもある考え方の中から「納得解」を導くことが職業人として生きていく上での力になると。このカリキュラムは秀逸!

なるほど、勉強ができることと仕事ができることが違う理由が解けた気がした。

しかし、日本の教師が正解のないものを教える力に欠けるという指摘があるのが気掛かりであるが、藤原氏の下で、教師も大きな成長を見せたようだ。

僕はこの「納得解」が、本田氏のいう「柔軟な専門性」に根底で通じているなと感じた。

目指すべきゴールは本田氏的発想であり、その繋ぎを果たすのが藤原氏的発想である「ネットワーク型学校」ではないかと確信する。

ただし、藤原氏の「ネットワーク型学校」を視察に来た教師の圧倒的多数が取り組みを評価するが、取り入れる学校は非常に少ない。校長の許可がおりないのだ。

先日、私と同じ世代の学校関係者にこんな質問をしてみた。

「今の団塊の世代の校長が一斉に定年退職したら学校は変わると思いますか?」

まあ、こういうひっくるめ方には些か抵抗はあるが、彼の答えは期待通り「YES」だった。

(学校という最前線の現場にいながら)いわく、自分のしてきたやり方、価値観に疑問を持たない世代だと…。

彼は、学校が変わるチャンスだとも言った。これは僕の一番期待していた答えである。

権限も持たず、新規採用がないため部下もいない中堅教師たちが燻っている。と、最近強く感じる。彼らの声を掬い上げる仕組みがあるとはいうものの、実際機能していなければないも同然だ。

彼らが公務員である以上、爆発することなく、何かで割り切りながら、脂が抜けていくんだろう。

それができない不器用な教師たちが精神疾患になっていくのかもしれない。或いは魂の抜けたまま教壇に上がり続けるのだろう。

「ネットワーク型学校」として上手くいきつつある横浜市内の定時制高校と、横浜で活躍するK2インターナショナルとの連携の様子が、本日(2/10)の夜、NHKのニュースで紹介されるので是非ご覧下さい。

ひょっとすると弊社のオダッチがチラリズムかもです(笑)

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2月10日(水) NHKニュースウオッチ9(夜9時〜)
「無縁社会」というシリーズです。
(大きな事件などあると日程が変更の可能性あり)
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Today's BGM is
Jonny Winter Edgar Winter/Together
51pp67kygjl_ss400__2 どうも苦手だったんですよジョニー。でもマディ・ウォーターズ関連でいい仕事してるなあ、と思ってて。なんかいいのあるんじゃないかと。そうして遂にコイツに出会った。「ゴキゲン」というロックンロール用語はこういうアルバムのためにある。一曲目がストーンズのカバーで有名なハーレム・シャッフル。それ以降怒涛のR&B,R&Rクラシックスのオンパレード。しかもどれもB級な猥雑さがあっていい。大好きなライブ盤がまた一つ増えて嬉しいな。

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2010年2月 8日 (月)

本田由紀氏にお会いした

企業(社会)が若者を成熟させる仕組みを失っている。

人が非常に未成熟なまま生まれてくるのは、文明とともに出産前後のリスクがなくなったことによる。

野生の鹿や馬の赤ちゃんが出産後すぐに立ち上がるのは、出産前後のリスクが非常に高いからである。

リスクの高い社会に子どもを出す(卒業する)際には、可能な限り成熟させてから(社会に)出すべきである。

これは自然な摂理なのである。

よって本田由紀氏の提唱する『教育の職業的意義』は、利に適う発想であり、異論を挟む余地がないと僕は思う。

ただし、今の学校にその器と技量がない。よって地域やNPO、企業に積極的にアウトソーシングを可能とするインフラが必要である。というのが僕の持論。

先週、奇遇にも、その本田先生に、今月行われるフォーラムの打ち合わせで、お会いする機会をいただいた。

淡々と進む打ち合わせだったが、終了間際、本田先生から「どうして若者がこういう状況に陥るとお考えですか?」と、ディスカッションの場を作っていただけた。

いろいろと現場の意見を言わせていただいた。すると本田先生が「教育の職業的意義なんて言ってる場合じゃないですね」と自嘲気味におっしゃられた。

この人は、どこまでも他人事ではなく自分事で考える方なんだなと思った。

実際、自分にも子どもがおり、毎日、東大の学生に接していて、彼らの将来を考えると寝れなくなる。講演中に涙を流しながら話すこともあるらしい。

本田先生の意見は私たちの目指すゴールだと思う。そういう意味で、あの本は若年者就労支援のランドマークになり得る。

でもまだそれは少し先にある。今は、そのギャップを埋める策を打っていくことが大切であり、今まさに横浜はそれをやろうとしている。

僕らシェアするココロも、可能な限りこのムーブメントの一員として、何かできればと思う。

Today's BGM is
フジコ・ヘミング/憂愁のノクターン
41ac061zr6l フジコちゃんの世話になることが近頃多い。初期的にはあまりいいメンタルではない時にフジコちゃんが欲しくなっていたが、今は普通にフジコちゃんが欲しくなる。さざ波のような右手高音のアルペジオ。昔話を語る船乗りのような雄弁な右手のメロディ。時には言い淀み、時には優しく語りかけてくる。きっとテクニカルなんだろうけど、そういうことを感じさせない稀有なピアニストである。ライブ盤を聴いてみたい。

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2010年2月 7日 (日)

ばあちゃんはマジすげえ〜

先々週末、もしも風邪をひくんだったら、今しかないぞというタイミングで風邪をひいちゃいImage855 まして。声がガラガラになりながら、キャリアガイダンスを一校、就活セミナーを二回こなし、東大で本田由紀さんとお会いし、金土には第二の故郷化している高知に講演に行ってきました。喉が休まる暇のない一週間で、おかげでまだガラガラです。

書きたいことがたまってますねえ〜。でもね、思いついたことをガンガン書くんじゃなくて熟考したことをしっかり書いた方がいいのかな、なんてことを頭の良さそうな方々のブログを拝見して思ったりもしつつ…。まあ、このブログは徒然のメモなんでガンガン書きなぐっていくこととしましょう!!

で、今回のテーマ「ばあちゃんはマジすげえ〜」。

何が?

高知のホテルのロビーで現地の支援者の方と話をしていて、その方が「やっぱ異世代交流は大事だから」と仰ったので、「異世代交流ってさ、いいんだろうなとは想像つくけど何がいいの?」と訊いたら、その方が思い込めて呟いたのがこれ。「ばあちゃんはマジすげえ〜」。

説得力というのは多分違う。ばあちゃんは説得するつもりがないんだろうから。とにかく言葉の通じ方、響き方が尋常なくすげえ〜と。いつも自分が言っているようなことと同じことを言っているのに、若者たちの納得感が全然違うと。

氏いわく「ばあちゃんの前ではみんな仔猫ちゃん」らしい。マタタビに似た成分が声域に含まれているのかもしれない。語る言葉の一語一音に本物のの生活の知恵や力強さが、まさに含蓄となって発せられる静のエネルギーみたいなのがあるんだろう。

なるほどねえ。僕は核家族で、ばあちゃんと生活したことがない。特に大人になってからの接点は皆無に等しいから想像はできるんだけど実感が伴わない。

最近、コミュニティ論のような本を読むようになっていて、「空間格差」とか「ソーシャル・ミックス」何ていう言葉が非常に気になりだしていたので、大きなヒントを頂いたような気がした。

僕は高知の講演の一説で、「(エコキャップ運動の事例から)子どもをソーシャルボンドに使い、点である大人を結びつける役割を担わせることが、コミュニティ再生のヒントになるんじゃないか」という話をしたんだけど。もうひとつのキーパーソンは「ばあちゃん」ですね!

「ちなみにじいちゃんじゃダメなの?」と訊いてみたら、

「じいちゃんはあかんね。じいちゃんはせっかちだから。あんまり自分から接点をもとうとしないし」

ばあちゃんという究極の母性がいいんだろうなあ。

Today's BGM is
George Benson/Absolute Benson
Absolutebenson_2 ちょっと皆さん、ベンソンのこと舐めてないっすか?この出で立ちとヒゲだけで軽いなんて思ってないっすか?歌とか歌うなよとか、ギターとユニゾンのスキャットの面白さとかのせいか、なんか不本意な立ち位置にいる気がするんですよねベンソン。確かに打ち込み系のダサダサな事とかしちゃうからしょうがないんですけど、この辺とか聴いいてみて欲しいですよ。もともとこの人はR&B畑な人ですからね、めっちゃファンキーです!

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