« 2011年1月 | トップページ | 2011年3月 »

2011年2月の5件の記事

2011年2月24日 (木)

お年寄りのひきこもり

昨日、社会教育の研究者であり実践者でもある、中村好江さんが計画している『シニア・ハマ・カレッジ』という高齢者支援(こんな簡単なことではないと思う)で、僕のスキルやネットワークが繋がらないか、という刷り合わせをしていました。

その中で出て来た言葉がタイトルの「お年寄りのひきこもり」という言葉。ちなみに中村さんは「地域デビュー」という言葉を言い出した方なんだそうです。

この「お年寄りのひきこもり」という言葉は、どれぐらい流通しているのでしょうか?(帰ってググってみよう)

僕は初聞きで、ちょっと“お”から始まる丁寧な言葉に続く“ひきこもり”という、略したら「おひきこもり」か、という響きに面食らっちゃいました。

『孤独死ゼロの町作り』という本を読み、僕なりに孤独死には強い問題意識を持っており、僕自身の団地の孤独死についても考えてみたりしました。

でも、孤独死してしまう前に、長い時間「お年寄りのひきこもり」の状態がある、というちょっと考えればわかりそうなことへの想像力が、僕はこれっぽっちも働かなかった。

僕は常々、支援者の資質でもっとも重要なことはイマジネーションだと公言してきたので、なんかカウンターパンチを食らったような衝撃があった。

中村さんは、このお年寄りのひきこもりを、外に出し、もう一度地域へのデビューをさせる取り組みがしたいのだという。

そこに僕の家庭訪問支援士のスキルが活かせないか、と単刀直入に聞かれた。

これは単刀直入には返せなかったなあ…。同業者諸兄はどう思いますか?

「人と接点を持つことを拒絶しているクライアントとの信頼関係構築を図り、クライアントに人との接点を持ってもらう」

という、超要約したミッションから捉えれば、お年寄りも若者も同じなのかもしれない。

しかし、若者は当事者の保護者が依頼者になるが、一人暮らしのお年寄りには依頼者がいない。

ここが決定的な相違点になるだろう。

ということは、保護者からの相談からではなく、近所の人からの通報のようなもの、或は戸別訪問しながら対象者を把握していくことになるだろう。

保護者により食事が提供される若者と違い、自分の食事は自分で賄わなければならないから、物を買うなどの他人との接点はある。ただし、世間話をしたり、一緒にお茶を飲んだりはしない。

ホームアローンのマカリスター家の隣のおじいさんのイメージが僕には湧いてきた。

新聞の集金や、宅配サービス員が、彼らを掌握しているかもしれない。或は自治会や民生委員の方々。お年寄りには大変な作業を請け負う便利屋など、アウトリーチの鉄則である「発見」の部分はなんとかなりそうだ。

問題は次の「誘導」。そして「参加」。

非常に難しそうだぞ…。

「社会的な責任を果たしてきたお年寄りがひきこもっちゃいけないのか?」なんて声も聞こえてきそうだ。

ひきこもりの若者たちは、ある一定時間を経過すると、実は助けを求めだす。勿論、沈黙のSOS。

訪問支援士の依り所はここだ。

こういう「本当はみんなと仲良くやりたい」ということが、お年寄りのひきこもりにはあるのかなあ?

あってほしいなぁ人だもの。

ちょっと考えると、実は僕がやってた訪問販売のスキル(孫年齢だった僕はお年寄りが得意だったf^_^;)の方が役立ちそうだぞ、なんて考えてみたり。

う〜ん…、でも若者たちには通じにくいお節介がけっこう通じないのかなあ。

「お年寄りのひきこもり」について、皆さんも考えてみて下さい。

Today's BGM is
イノトモ/やさしい手。
41f79he1b5l良盤である。一曲目の鈴木総一朗の仕掛け、駒沢さんのペダルスティール、そしてイノトモちゃんの声で持ってかれる。あ、僕はちゃん付けですイノトモw。こういうアーティストが日本にいっぱいいるといいし、こんな感じで手作りでアルバムを作っていけると楽しいのになあ、と思う。駒沢さんにはもう少し参加してほしかったなあ、とか、ここでドラムが、とかいうリスナーに隙を与えてくれる感じも、敢えていい感じだ。つじあやのが売れてイノトモが売れないのはなぜか、などと考えるのもおつ。


| | コメント (1)

2011年2月19日 (土)

定時制高校のジャイアンとスネ夫を救え!

定時制高校には、通常の進路指導でなんとかなるしずかちゃんタイプ(全体の30%くらい)と、

かなり手をかけても、在学中に一般就労が出来るレベルに指導するのが厳しいのび太くんタイプ(全体の30%くらい)と、

両者の間にいて、手厚い支援を行えばしずかちゃんタイプになれるが、ほっとけばのび太くんタイプになってしまう、ジャイアンとスネ夫タイプ(合わせて40%くらい)がいる。

現状の学校の人員配置だと、しずかちゃんタイプを確実に就職させることだけで先生は手一杯だという。

時間軸で考えると、7月に学校に求人が届き、先生自身も企業開拓を行い、内定者が出る9月から11月くらいまでが、多分しずかちゃん対応に追われる時期になるんだと思う。

重要な問題は、この間にジャイアン、スネ夫タイプがのび太化し、結果、就職活動をしないまま、進路未決定で卒業していく生徒が圧倒的多数になってしまうという事実。

なんで就活しなかったかのかと問うと、「先生が何も言わなかったから」という生徒が少なからずいるという。

ヒューマンスキルの高いジャイアンタイプは、それでも人生をサバイブしていくかもしれない。でもそれも、あの頃の日本ならね、という話しなんじゃないかというのが、僕の実感だ。

ヒューマンスキルの低いスネ夫にいたっては、どうなってしまうのか。

ここに保護者の経済状況、さらには生活保護世帯の子どもたち、すなわち貧困の連鎖という課題も。これは、就労という課題に対して強烈なリアリティを放ちはじめるから大変なのだ。

地域協力者がNPO、市民レベルから企業レベルまで、包括的に必要だ。

その際、誰かがオールマイティという全能感を持たないこと。

全能感がネットワークを分断し、セーフティーネットに穴を開けてしまう。この全能感ほど愚かなものはない。これは僕がこの10年、若年者就労支援業界を見て来た結論かもしれない。

話しを戻そう。

ジャイアンとスネ夫を救え!のび太もね。文部科学省や教員委員会が変わるのを待つのではなく、ソーシャル・パワーで彼らにやり方を見せてしまおう。

そんなことを考えてるなう。

Today's BGM is
Van Morrison/Moondance
Imgresこのアルバムにたどり着いたのは、ジェシエドのクレイジーラブの原曲が聴きたくてだったか?魂が乗り移った声にやられる。そして、なんだろ?このちょっと不思議な世界観。アメリカでもイギリスでもなく。ヴァンの故郷アイルランドでもなく。ホーンのアレンジが意外と独特なせいかな。アコギもいいなあ。ラストワルツではじめて動くヴァンを観たときはちょっとショックだったな(笑)。


| | コメント (0)

2011年2月17日 (木)

右肩上がりという初期設定から、日本は一度逸脱しないと、希望の光を見ることはできない

時代が動いてるのが、実感される今日この頃、皆さんは、どう生きていらっしゃいますか?

変な挨拶してすみません。でも、世の中そんな感じじゃないでしょうか。

リーマンショック以降の不況下だけど、なんとなく、これまでの体制を惰性的に続けてき。だけど、いい加減ごまかしが効かなくなってきている。

そんな組織が目立ってきている。僕らシェアコロはリーマンショック以降にできた会社なんで、初期設定段階で右肩上がりにしてないから、慎ましくやってますw。

話を聞いていると、「変えたい」という変革者たちと、「このまま嵐が過ぎ去るのを待ちたい」という保守派たちが、落ちてくるボールをどちらが拾うのかお見合いしている。

その間を、根性で超えようとしている武闘派?が掻き乱してるような図式が見えてきます。

何となく政治の世界もそんな感じがしますね。

僕は「変えたい」人たちの相談をよく受けるんだけど、変えることよりも、順応することで人生の大半を過ごしてきた人だから、変え方がわからない。

話しを聞き、質問をしながら、ボトルネックが見えてくる。ここを改善する手が打てれば、なんとかなりそうだというイメージを具体化していくと、さらに大きな課題が見えてくる…。

じゃあ出来ることからこつこつと、というレベルのことは、こういう人たちはもうたいがいやってて…。

こうやって中間管理職がバーンアウトしていくのかなあ、なんて思うと、せつない。

希望。この間、玄田有史先生がご自身のブログ『玄田ラヂオ』でこんなことを書いていた。

希望とはデフォルト(選択前の初期設定)状態からの逸脱である。

右肩上がりという初期設定から、日本は一度逸脱しないと、希望の光を見ることはできないのではないかと、僕は思う。

Today's BGM is
Latin Playboys/Latin Playboys
093624554325320最近、マイミクの影響でロス・ロボスづいてて。これは大雑把に言うと彼らの別名プロジェクト。バンド名から明るく脳天気なラ・バンバのりのアルバムをイメージするが、非常にアバンギャルドであり、沈鬱なアルバムであり、いい意味で期待を裏切られる。この間、真夜中の16号をこれを聴いてドライブしてた。ロードムービーの主人公になった気分で、タバコが無性に吸いたくなった。


| | コメント (0)

2011年2月 9日 (水)

戸塚高校定時制〜株式会社パソナによるインターンシップ事業説明会〜【B面】

先日、戸塚高校定時制に取材でお邪魔してきた。その時の模様はハマトリアム・カフェに魂込めて書いたんで、こっちには、そこに至るまでのエピソードを書きたいと思います。

戸塚定時の椛沢先生が、定時制高校が限界を超えているという訴えをずっとしてて。

僕はめちゃくちゃ先生の訴えにずっと共感していたんです。そんな中で、外部リソースとの繋がりをより濃くし、生徒たちへの支援の輪を広げたいという相談をシェアコロが受けたんです。

ご存知のように、シェアコロは4人でやってる弱小零細企業なもんで、アイデアはあっても実現力がない…。この話しは、実現力が高く、就労の部分に特化した組織と連携しなければ、何も始められないなあ、と考えてました。

同時に僕は、横浜市の子ども若者支援推進協議会の「就労促進部会」の委員を勤めさせていただいているのですが、お隣りの席がいつも株式会社パソナの人事部長であり、同社のシャドーキャビネットの若者省大臣の有村さんなんです。

これは何かの縁だと有村さんはおっしゃってますが、ただの“あいうえお順”です(笑)

椛沢先生は、この協議会にも毎回傍聴しに来てて、ある時、戸塚高校定時制の過酷な就職状況を報告してくれたんです。有村さんも熱心に質問されてました。

後日、戸塚定時で何かできることがないか、一緒に考えていただけないかと、有村さんに打診したところ、二つ返事で快諾していただき、翌週にはパソナ横浜支店で、戸塚高校定時制の五十嵐先生と、横田先生、私とパソナの方々とで話し合いの場を持ってました。

先生方から聞く、定時制高校の現状は、既存の事業に生徒を乗せるだけでは、意味がないということをパソナの方々はすぐに感じたようでした。

ここからのパソナの動きは、まさにソーシャル・ベンチャーの大先輩の動きでした。

可能な限り、戸塚定時にカスタマイズして、生徒に来てもらうのではなく、自分たちで情報を伝えに行こう。それが、ハマトリアム・カフェの記事の説明会です。

この説明会で、初めて定時制高校の生徒に対面したパソナの方々は、「一回きりのイベントにしてはいけない。ここで興味を抱いた生徒をしっかり受け止める、次の手を打たなくては」と、終了直後にはアフターフォローの相談会が決定していました。私も相談員で参加させていただきます!

あの説明会の日、僕がインタビューした女の子が、興味はあるけど一度も仕事したことないからインターンシップは不安だと言ってて。

そんな人のためのプロジェクトなんだから、勇気出して参加しなよ、失敗して迷惑かけたって、パソナの人たちがフォローしてくれるから、思い切って甘えるつもりでやってみ!と背中を押した(インタビューじゃなく相談w)。

僕のバスをパソナの方が受け止めてくれて、この女の子は、研修を受け、近々インターンシップが開始すると、今日、五十嵐先生がメールで報告してくれて、凄いうれしかったです。

横浜市が協議会というソーシャルなマッチングの場を作り、熱意ある先生が足を使い、生徒を気遣い、学校内での調整をし、シェアコロを経由して大企業が動き、困難を抱えた若者のために、両社のスキルを出し合い、カスタマイズされた支援を作り上げていき、それが汎用化し全国で活用され、新たなカスタマイズを生んでいく。

途中から妄想が入りましたが、そんな流れの中に、「シェアするココロ」というマインドが意味をなしてくると信じています。

Today's BGM is
the Beatles/Please Please Me [2009 Mono Remaster]
90041281aこのところ、いただいたビートルズのモノ・リマスターをよく聴いています。どうせなら好きなのからではなく始めから聴こうと思いこれから。一発目の衝撃でしょうか!?なんかモノ・リマスターで一番成功した感じがします。アコギが少ないのがよかったのかと思います。「1234!」から歴史が始まるんですよね。よくできてるわ〜。改めてポールのベースが世界感を醸し出そうと必死な感じが感動しました。ちなみに、有村さんと僕はビートルズつながりです(笑)


| | コメント (0)

2011年2月 4日 (金)

森ひろゆきさんに注目です!

横浜市の市会議員、森ひろゆきさんのサイトリニューアルのデザインをお引き受けすることになり、昨日、お隣りの社長と僕でイメージを聞き、ブワッと広げるミーティングを行った。
Kabarmorisoba_201012
写真は、ハマトリアム・カフェをやってる会社がどんな会社か見たいと、森さんがオフィスに訪ねてきてくれた時のものを借りちゃいました。ハマトリアム・カフェに注目していただき、オフィスにまで気軽にやってきちゃう感じが森さんのアクティブさです。僕、帽子被ってたんで髪の毛ぺったんこで気まずいです(苦笑)。

感想を先に言っちゃうと、いやあ、楽しかった!

横浜の未来を切り拓いていこうとする同世代の政治家のお手伝いですからね。興奮しました。

僕とお隣りの社長は、政治家のウェブサイトが地域の課題を掘り下げたり、ソーシャルな活動をする団体・個人にスポットを当てるなど、地域に特化したソーシャル・メディアになるべきではないかという発想があり、それにはインタラクティブであることが不可欠じゃないかと考えている。

当然リスクもあるが、森さんもこのアイデアを気に入ってくれたようだった。是非、次期はソーシャルレポーターとして横浜を、そして都筑区を駆けずり回ってほしい!トレードマークのマウンテンバイクでね。

森さんは年齢でいうと僕の一つ下の40歳。NPOやNGOでも活動している。若さと行動力が売りだ。

その行動力をツイッターで報告し、団塊の世代の思いを若い世代にオフライン・オンラインで繋ぎ、議論を重ねながら、ポジティブな未来を切り拓いていきたいと森さんは語った。

誰もが悲観論ばかりを口にするこの時勢に、ポジティブな未来を語る政治家というのは、市民の希望なんじゃないかと強く感じた。

きっとハマトリアム・カフェを凌ぐポップなデザインのサイトになると思いますよ(弊社の横山コウジも気合い入りまくってます)。

皆さんお楽しみに。そして森ひろゆきさんを応援しましょう!

“若者が政治から離れた”のではなく、むしろ“政治が若者から離れた”ところに大きな問題があることを、世代を超えた社会全体で考えていきたい。 by森ひろゆき

Today's BGM is
Maceo Parker/Southern Exposure
4125w5vgarl_sl500_aa300_僕はサックスを吹けないので、あまり詳しくは書けないけど、メーシオのサックスの気持ちのいいところはキレの良いタンギングにと、ゴスペル的な繰り返しの高揚感にあると思う。それがまた絶妙なファンキーなフレージングで繰り出される至福。このアルバムは地味なソロ群の中(苦笑)、かなりJBや名盤『Life On Planet Groove』のニーズを満たしてくれる一枚です。リズムセクションが一部ミーターズだしね。おすすめ。


| | コメント (0)

« 2011年1月 | トップページ | 2011年3月 »