« 2011年6月 | トップページ | 2011年8月 »

2011年7月の5件の記事

2011年7月23日 (土)

教職員向けキャリア教育をやっています!

P1000200
6月23日(木)に、横浜市立戸塚高校定時制の教職員向けスキルアップ研修の講師を務めて参りました。戸塚定時には、前年度、パソナ様と合同でインターンシップのお手伝いをさせていただいていたり、弊社が運営しています「ハマトリアム・カフェ」で、ちょこちょこ取材にお邪魔させていただいています。

内容は二つのワークショップ(以下に出てくる「心のワークショップ」と「リフレーミングによる短所を長所に変える魔法のワークショップ」)を体験してもらいつつ、キャリア教育の組み立て方と、その際にシェアコロが注意している点をご説明しつつ、外部リソースとの連携の重要性とそのポイントについて、二時間に渡りお話させていただきました。

以下、いただいたアンケートを掲載させていただきます。また、僕への質問のコーナーがあるので、この場でお答えしてみたいと思います。

当日の内容について、特に印象に残った点はどのあたりでしょうか?
「心」のつく漢字ワークショップ。
・心づくしのワークショップは生徒にすぐに行えそうなのでありがたいです。
・ワークショップを行うことで興味関心をもって取り組むことができた。
・いくつかのスタイルが提示された時、思わずいろんな生徒の顔が浮かんだ。
・マイナス志向でコンプレックスをもった生徒が多いので自信を持たせたり励ますために話術を駆使して対応しなければと改めて感じた。
・生徒が積極的に就職に目を向けられるよう効力感をどのようにしてもたせるか。
・リセットさせない日々の声かけが大事。
・リフレーミングのワークショップ(短所を長所に変える魔法のワークショップ)。
・企業が望む人事をいかにして生徒に考えさせるか。
・ネットユーザーはネットユーザーの言葉を信じ、決してメーカーの言葉は信じない。教員として考えさせられました。
・サバイバルを例に上げたところ。
・リフレーミングの手法は色々な場面で有効だと思う。
・リフレーミングのワークショップをから本人が実践に生かせるスキル(文章作成など)に気付き導いていけるという点
・心づくしとリフレーミングのワークショップ。

実施方法、時期、時間などについて、改善点があればご指摘ください。
良い。
・時間があっという間に過ぎてしまいました 石井さんの説明が良かったと思います。
・少し時間が長い。
・職員の意識づけのため、3ヶ月後か6ヶ月後にもあるといいですね。

全体を通した感想や石井さんへの質問など、お書きください。
Q:なぜこの仕事に(石井は)向いているのか?

A:なぜでしょうか?(笑)僕が聞きたいです。是非、コメント下さい!

Q:生徒の就活へのモチベーションをいかに上げるか非常に参考になりました。また、ハマトリアムカフェを通じて本校の様子をHPに流してもらいよき宣伝にもなっています。今後とも連携をよろしくお願いします。

A:僕たち外部は、危機感と納得感を与えることはできても、自己効力感を醸成することはできませんので、先生方の日々の声掛け、その際のリフレーミング、とても大事なことだと思います。今後ともよろしくお願い致します。こちらこそ大変勉強になっています。

Q:できれば更に生徒に直接使えそうな内容を次にお願いしたいです。

A:そうですね。特に定時制の生徒たちの昼間のアルバイトに繋がる「アル活(アルバイト探し活動)」という、シェアコロの鉄板セミナーがありますので、実施方法をレクチャーし、先生方が実践できるようになると実践的で良いかと思います。是非、また呼んで下さい。

Q:非日常できっかけを作り日常に続けてゆく→リセットさせない日々の声かけが必要なのはわかりますが、次の非日常までに徐々にリセットしてしまうのですが?

A:今回のアンケートでも、「職員の意識づけのため、3ヶ月後か6ヶ月後にもあるといいですね」とありましたが、生徒にも同じことがいえるのではないでしょうか。年間スケジュールに一定間隔で“非日常”組み込んでもらい、カリキュラムの学校行事とリンクした形で企画したものを行えれば、その徐々にが、よりスローになり、結果として持ち上がるのではないでしょうか。これは仮説で、実績があるわけではありません。是非、実績いっしょに作っていっていただけるとありがたいです。

Q:極端に外部の人間を嫌う学校(教員)に対してどのように入りこむのですか?

A:そうなんでしょうね(苦笑)。行政の方々やすでに関係をお持ちの方々につないでいただいたり(戸定はこれ)、同じく、いろいろな学校の教員が集まるセミナーで講師を務めさせていただき、関係を構築しています。教員のやり方を否定するのではなく、役割や専門性の違いを明確にすることが大事だと考えています。

Q:非常にフレキシブルな感性をお持ちの方だと思う。生徒を理論にあてはめる愚行をせず今後の発展を楽しみにしております。

A:ありがとうございます、すごく嬉しいです。「アウトプットを明確に持たせつつ、多様性を確保しながら、ある程度はめていく。社会に出て一人で生きられるようになった時に、この型から抜けていく」ということが大事なのではないかと感じています。

Q:講義とワークショップであっという間の2時間でした。ありがとうございました。

A:僕も楽しかったです。また、お会いできる日を楽しみにしています!

Q:(生徒が)一人で考えることも大事で、それを土台にしていろいろ人から助言などをいただいていくことも大事なのではないでしょうか。

A:おっしゃる通りだと思います。自分にしっかり向き合い、自分の答えを導けるようになってもらいたいですよね。相談を受けると、いきなり「どうしたらいいですか?」から始まることが多いのですが、「自分はAにするべきだと思うのですが、どう思いますか?」と聞いて来てほしいです。このAを導くスキルと、これをコミュニケーションの中で吟味する力を育てたいですよね。そのために、ワークショップという体験型の学びのスタイルには可能性があると感じています。

皆さん、ご感想ありがとうございました!

Today's BGM is
Buddy Holly & The Crickets/From The Original Master Tapes
Cdcover正直に言うとバディ・ホリーにあまり思い入れはない。いや、嫌いじゃないしむしろ好きですよ。でも、思い入れがないw。これはけっこう僕のなかでは思い切った告白だ。なんとも神聖な、イノセントな存在として僕の中に君臨している。22歳で飛行機事故で亡くなり、ジョンのヒーローということ。そしてあの黒ぶちメガネの真面目な感じが茶化せない存在なのだ。「ペギー・スー」の疾走感はロックンロールの発明のひとつだと思う。その発明はこんな感じで受け継がれていってる。

| | コメント (0)

2011年7月18日 (月)

青春相談室「田奈Pass」

7f99e02cd179438e84ca29c2148787fc_7Twitterではお知らせしていますが、6月2日から、横浜パーソナル・サポート・サービス「生活・しごと∞わかもの相談室」(以下PSと略)の出張相談業務として、僕と相棒の小川くん神奈川県立田奈高校で毎週一回相談員として、12:00〜17:00でお邪魔させていただいています。

ここに辿り着くまでには本当に奇跡と出会いの連続で、僕はきっとこの出会いを、後年語り草にするんだろうなという感慨をすでに抱いていています(笑)。

相談室の名前が必要だろうということで、PSの若手スタッフたちとネーミングを考え、青春相談室『田奈 Pass』というネーミングで実施し、校内では僕のこだわった“青春相談室”を抜いて「あ、田奈 パスだ!」なんていう感じで親しまれてきています。

ところで『田奈 Pass』って変な名前ですけど、Pass(パス)には、こんな思いを込めています。

パッション【Passion】情熱、激情 パスポート【Passport】ある目的のための確実な手段、保証 パッシング【Passing】通過 パス 【Pass】面接試験にパスする、一回休む パス・ゴー【Pass Go】うまくやってのける パス・オフ【Pass Of】苦痛怒りなどが消えうせる etc…

『田奈 Pass』のちょっと面白いところは、相談を図書室でやってるところなんです。これは、相談室を特殊な空間にしては生徒が来ないだろうという懸念を払拭するための、僕の思いつきのアイデアなんですが、司書さんが、大変ご理解のあるロック好きの女性で、この申し出を快諾していただけたんです。司書さんとは、毎回どっちがカッコいいロックンロールTシャツを来てくるかの勝負をしていますが、すでにネタ切れですw。

この図書室では、昼休みと放課後、なんとなく僕は雑誌を読みながら、そばにいる生徒に声を掛けたり、PCをしている生徒に声を掛けたり、という感じで、恋愛話も含め、よろず相談を受けながら自己分析のお手伝いとか、そこから始まるコアな相談をしています。

また、5〜6時間目などには、担任からのリファーのような形で、生徒の相談を進路室で聞いています。凄いのは、これが生徒にとっては公欠になるということ。たまに嬉しそうにしながら来る生徒もいます。

まだまだ始まったばかりの取り組みの『田奈 Pass』ですが、全クラスに僕と小川くんのプロフィールを貼ってもらい、配布資料も配っていただいたり、認知度アップの戦略を担当の先生と協力しながらやっているため、校内でのステータスは徐々に上がりつつあるよう思います。

僕自身、イベント的な付き合いしか学校、生徒とはできてこなかったことに歯痒さを感じていたタイミンだったので、非常に嬉しく、ありがたい時間になっています。全国のモデル的な取り組みになるよう頑張っていきたいと思います。“青春相談室”『田奈 Pass』をよろしくお願い致します!

Today's BGM is
Elvis Costello/Kojak Variety
51blxmsp7fl_sl500_aa300_コステロは大好きなボーカリストだ。ただ、このアルバムに手が出たのはギタリストのマーク・リボーの全面参加の方が要素として大きい。リボーを知ったのが忘れもしないトム・ウェイツの『レインドッグ』。このアルバムのギターはチープなトーンといい、奇天烈なフレージングといい耳障り極まりなかった。しかし、その耳障りが癖になる。スケールアウトすればするほどゾクゾクとしてくる。そしてこのアルバムにはカントリーロックギターの名手ジェームズ・バートンも参加している。全編カヴァーの企画アルバム。

| | コメント (0)

2011年7月11日 (月)

【告知】ワークスタート支援プログラム/2011年度第1回支援者セミナー   働く力を養う実践的就労支援~中間労働・中間的就労を考える

NPO法人育て上げネットの工藤啓理事長との対談形式による支援者向けのセミナーです。弊社のミッションのひとつである支援者支援に関わらさせていただき感謝しています。当日は、中間的就労について、私の経験してきたこと、考えていることを話させていただきつつ、まだまだできていない課題の解決のアイデアが、この瞬間に花開くことを願っております。是非、ご参加下さい。

 日時:2011年7月27日(水)19:00-21:00 (開場:18:30)
  会場:東京しごとセンター3階セミナー室 http://www.tokyoshigoto.jp/
     東京都千代田区飯田橋3-10-3
  定員:先着30名
  対象:若年者支援に携わる方
  ↓チラシはこちらから↓
  http://www.sodateage.net/delivery/110727WS.pdf

  東京しごとセンターで行うワークスタート支援プログラムでは、毎年2回
  若者就労支援に携わる方々を対象に、支援の現場の声、ノウハウ、
  最先端の就労支援状況について共有を行うための支援者セミナーを開催
  しております。

  今回は、社会経験が少ない若年者が「働く力/働き続ける力」を獲得する
ために有効な方法である「中間労働・中間的就労」をテーマに、相談支援、
各種セミナーと併せた総合的な支援のあり方について考えていきます。

 【中間労働・中間的就労とは?】
  現段階では労働市場での価値提供が困難である若者等に対し、
  一定の労働対価を得た上で、就業への訓練や対人コミュニケーション力の
  醸成を図る新しい労働市場・就労支援の有り方。
  一定の労働対価という部分において、
  無償であるインターンシップとは異なる「働き方」です。

  既存の就労支援では労働市場に移行することが困難である若者等に対し、
  より効果性の高い、新しい就労支援市場の形成は、
  今後の日本の雇用対策に求められ現在、その機運が高まっています。

 【講師】
  株式会社シェアするココロ 代表取締役 石井正宏氏

  NPOにて10年間、ひきこもりや発達障害等の若者への就労支援に携わり、
  厚労省委託事業「若者自立塾」や「地域若者サポートステーション」等の
  委託事業の責任者を勤める。
  平成21年5月株式会社シェアするココロを設立。
  横浜市委託事業若者応援サイト「ハマトリア・カフェ」で
  支援情報を若者や保護者、支援関係者に
  わかりやすく情報を届ける情報支援を展開。
  高校でのキャリア教育や講演、ワークショップを通じて
  若者の自立支援に取り組む。

  株式会社シェアするココロ HP
  http://sharecoro.com/
  石井正宏氏ブログ
  http://little-ripple.cocolog-nifty.com/
  シェアするココロが運営する ハマトリアム・カフェ
  http://www.hamatorium.com/


  ●お申込み・お問い合わせ●
  ワークスタート事務局(<月-金>9:00-17:00)
  TEL: 03-3556-5950 E-mail:ws@sodateage.net

  ワークスタート支援プログラム
  <委託元:公益財団法人東京しごと財団
  運営受託:NPO法人「育て上げ」ネット>

| | コメント (0)

2011年7月10日 (日)

バイターン Vol.7 コラム「地域に頼みごとができる学校経営」

D8a40916c398481592b2e60132698ee3_7今週、高校の校長、先生と呑んでたんです。校長が数十年通っている行きつけの店で。しこたま芋焼酎を呑んで別れ…。結論から言うと僕はその店に財布を忘れたんです。

財布を取りに行った時に知ったのですが、お店のおばあちゃんは、高校の先生だということを知っていて、学校の電話番号を調べて電話をして来てくれたんですよ。すごくないですか?ああ、良かった!めでためでたし、以後気をつけます!で終わる他愛のない話なのですが、ここに大きな問題定義が隠されているんですよ。なんだかわかりますか?

これ、先生の移動ってどうなのって話しに繋がるんです。

昨日のこちらの質疑応答でも、先生の移動で素晴らしい仕組み(体制)は終わるのではないか?というご指摘が出ていました。僕もこのブログでたぶん再三、公教育が一人の熱血教師の個人技で良くなったり、移動により消失したりすることのどうしようもなさは何度も言及してきました(NPOにも言えることですが「公」としての平等なサービス提供としてどうなんだということです)。

馴染みの店を持つ。これは地域への定着です。現在、高校の教師は三年勤務すると異動願いを出すことが出来ます。3〜4年で移動する教師たちが地域に根ざすことってできるのでしょうか?この話しに出て来る校長は、教師、校長時代を合わせ15年ぐらい同じ高校に勤務し、その店を贔屓にしていました。

この前、学校に30代の卒業生が相談に来ていて、どういうことなんだと思いましたが、恩師がまだ学校にいるという大きな理由があったんです。

恩師のいない学校って、ただの思い出、その学校に通ってなかったらただの建物、さらにいえば砂埃を撒き散らし、生徒がゴミを撒き散らす厄介な施設じゃないですか。自分も世話になった母校なら許せるだろうけど、地元にあってもその高校を卒業をした人は僅か。学区制が廃止された今、その傾向は顕著。地域から高校が孤立しても当然じゃないでしょうか?

このような状況で、卒業後の職業人生を見据えた包摂的な学校なんて経営できないと思うのです。

この財布紛失&発見事件で見えてくるのは、バイターンで重要なポイントとなる企業開拓についてなんですよ。

先生が地元に根付くとうのは、地元の経済活動に深く関わりを持たなければ根付くことが難しいですよね。余談になりますが、NPO法人育て上げネットと目の前の中華料理屋の結びつきとかほんと凄くてw、僕がワークショップで同じ形のコップを7個ほしいと言ったら、事務局長が前の中華料理屋から借りて来たりして。こういうの凄いなと思うんです。

長くなりましたが、学校が地域に“頼み事”ができる関係を、どう日常から学校が関係構築をしているか。この時に、先生の移動がネックになっていると言いたいわけです。逆に、この校長のようなずっと同じ学校にいる管理職が何名もいて、みんなが地元に根ざしていたら、企業開拓はかなりスムーズだと想像できます。

「腰掛け」という言葉がありますが、先生が学校に「腰掛け」するのではなく、地域にしっかり根ざして生きて行くという学校作りが必要ではないでしょうか。

もちろん、教師のキャリア形成、人事交流を考えた場合等の移動のメリットもあります。しかし、いい事例を引っさげて他校に移動した教師が、その学校で同じことが出来る可能性が相当低い。ならば、移動をメリットと言えるのか?

財布が戻ってきてそんなことを考えるのでした。

Today's BGM is
Peter Tosh/The Essential Peter Tosh (The Columbia Years)
Theessentialpetertoshthecolumbiayeトッシュの声を最初に意識するのは、ボブ・マーリーの「400年」だろう。はじめてその知性的で悲しげなバリトン・ボイスを聴いて、ボブよりも強いメッセージを受け止めたような気がした。そんなトッシュの話題がFBで出て、レコでしか持ってない僕は無性に聴きたくなって、これを購入した。トッシュの攻撃的なイメージとは裏腹になんともピースフル。「Equal Rights」とか、こういうトラックが僕は好きです。
ベースがバイオリンベースなのがきゃわゆい。

| | コメント (0)

2011年7月 2日 (土)

バイターン Vol.6 〜なぜ有給にする必要があるのか?〜

どうも。バイターンが僕の戯言ではなくなってきていますYO!。先日はついにパワポでの資料作成も作り、高校内でプレゼンして参りました。ペラいちを目指したのですが、どうも収まらないので、自分の頭の中の整理のためにQ&A型式の資料を作りました。

2

その中の一枚が、タイトルにもしている「なぜ有給にする必要があるのか?」という根本的な問い。今日は、このことについて説明していきたいと思います。

1.真面目くんタイプにに限らず、教育困難校の生徒は主体性が低く、参加促しが難しい。有給にすることで強い動機付けが可能になる。

ずばりインセンティブです。自己肯定感の低い若者は、同時に自身の行動に対して「結果期待の低い若者」です。「やってもどうせだめ」っていうあれ。この結果期待に「頑張ればお金がもらえる」という期待、つまり物理的成果というカードを促す側の先生が持てるわけです。

お金をもらうことで、認めてもらえた(承認)という満足度が高まり、経験を自信や知識に変える学習効果が高まる。※時給は最低賃金を下回りません。

職業体験という教育機会の意味、効果性をどのように高めるか?遊びじゃなく真剣勝負にすることだと思います。遊びで負けた記憶なんてどこかへ消えてしまいますが、真剣勝負に負けた記憶は、一生悔しさとして胸に残りますよね。では、真剣勝負に勝ったら? はい、そういうことを目指しています。そして、無給のお客さん扱いというのが何と言っても教育効果が低いわけです


教育困難校の生徒は、生活困窮世帯の生徒も多い。生活支援との一体化を計ることで、「無給なら参加しない」という理由がなくなる。※現在、生活保護世帯の“負の連鎖”が大きな課題になっていますが、連鎖を断ち切る施策は打ち出されていません。

僕が前職で責任者をしていたインターンシップ・プログラム「コミュニティ・アンクル・プロジェクト」では、お金がもらえることが逆にプレッシャーになるということが考えから、お金を支払ってインターンをさせてもらい、無給期間を経て戦力になったら有給になるという流れでプログラムを組んでいました。

最終的には、国がこの費用を負担をするということをミッションにしていましたが、現実的には費用は保護者負担で、財力のある方にしかお勧めできないという最大の弱点がありました。この点、特に教育困難校と言われるような学校では、生活保護世帯、或いは、凖要保護世帯のような生活困窮世帯が多く、バイト代を家に入れている生徒も多くいます。

「なかなかバイトに受からないなら、インターン(無給)をやって助走をつけようよ」というアプローチは「金が出ないならやっても意味ない」ということで提案を蹴られてしまいます。

また、現在コンビニ等で接客のアルバイトをしている生徒に対して、職業選択の幅を拡げるために、モノづくり系のインターンを促したとします。ここでもやはり、「金が出ないならやっても意味ない」ということで提案を蹴られてしまうでしょう。でも、お金が出るならやってみてもいいかな、となるわけです。

最後に企業側の心理を考えてみましょう。

やはり、お客さん扱いせず、いろいろな要求を出すことができる。その要求をクリア出来れば戦力になると考えれば、積極的に指導をするでしょう。そこに社会貢献性という「バイターン・シップ」(おっとまた新しい言葉が生まれてしまったw)が、企業側にはあるわけです。

ということで、薄々大学進学組のメリットを飛ばしたな、とバレてそうですが、この次は今日生まれた受けれ側の「バイターン・シップ」と、企業側の負担軽減と、受け入れメリットの最大化について書いてみたいと思います。

Today's BGM is
Jesse Davis/Jesse Davis
Jesse_ed_davisこれは大好きなアルバムなので以前にもきっと取り上げていると思いますが、また聴いています。ロックンロールサーカスでタージマハールのバックで演奏している姿を初めて観ちゃったんで。あれはかっこ良かった。サイケなペイントを施したテレキャスで。なんかもっと無骨ないかにも我流なギタースタイルなのかと思いきや。凄いしなやかなプレイで驚いた。ソロの時の「イキ顔」がやっぱりインディアンで、神と交信しているような神々しさを感じちゃった。

| | コメント (0)

« 2011年6月 | トップページ | 2011年8月 »