【コラム】スキンシップというラポール形成スキル
ラポールとは、カウンセラーがクライアントとの信頼関係を指す、心理学などでよく使われる言葉です。確かフランス語で「架け橋」という意味、だったようなw。
このラポールを、意図も容易く築き上げてしまう男たちが、僕のいた職場にはけっこういました。そのスキルが、今日のテーマ「スキンシップ」です。
通常のそれは、ソフトタッチから入り、ヘッドロックやドツキへと、ラポールが形成され、強固なものになるに従い、容赦なくなっていき、四の地固めなどへと発展していきます。
ちなみに、僕は下手。今、思い返してみると、断然体育会系のスタッフたちが、スキンシップの名手たちでした。
彼らにヘッドロックされた利用者は、ココロもロックされれたように、スタッフを信頼していきます。
想像してみて下さい。10年間引きこもっていて、誰とも接触してこなかった若者が、10年ぶりにヘッドロックをかけられ、「やめて下さいよ~」とか言いながら、まんざらでもないココロ模様を。
想像してみて下さい。カウンセリング・ブースで、カウンセラーがクライアントにスキンシップをしているところを…。こっちはヤバイです。危険な香りがしますよね?
ブースの中だから安心して築けるラポールもありますが、ブースの外だからこそ、生活をともにしているからこそできるラポールもあるんですよね。
象徴的なのはマージャンです。これまで、ネットやゲームの中でしかしたことのないマージャンを、四人でテーブルを囲み、手が触れ合いながらジャラジャラと牌を混ぜるあの感じ。
ベテランスタッフになると、牌を混ぜながら、緊張感の高い利用者の手をわざと握るという、変態と紙一重な高級スキルを使います。これがスタッフとのキャラとマッチした瞬間、至福の和みが生まれます。
マージャンのできるスタッフと、マージャンにハマった利用者の、密接な信頼関係は、まさに引きこもり青年の人生を変えるほどのものがあります。
若年者就労支援施設での、有能なスタッフの必須条件を、ハローワークの求人風にまとめると、以下のようになるのではないでしょうか。
人の肌に抵抗なく触れることのできる体育会系の方で、プロレスの技をマスターされている方。マージャンができる方にはもってこいの職場です。点数を数えられる方優遇。
そういえば。ある日、背伸びして利用者にマージャンを教えてたら、「石井さん、それ逆まわりやで」と言われたことがあったなあw。
スキンシップは、訪問販売員の高級テクニックでもあります。その昔、掃除機売りだった僕は、主婦に、実際に掃除機を使ってもらうというデモンストレーションで、「奥さん腰曲がってるよ!」と、購入を決断出来ない方には「決めちゃいましょう奥さん!」と、ポンと腰を叩いたものです。
また、部下からの信頼を獲得する方法として、ビジネス書なんかで、「部下の肩をポンと叩いてみる」なんていうのも紹介されていますよね。
親子しかり。スキンシップというのは、ラポール形成の重要な要素なんですね。夏の行楽シーズン真っ盛り、久しぶりにパートナーと手をつないでみては?というキモいオチ。
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