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2012年10月 8日 (月)

俺が会社を始めた理由

Chapter.2 「ゴスペル・ハイウェイを行く」

ガハハハ!前回のエントリーを見てない連中は、俺が気でも狂ったんだろうと思ってドン引きしてることだろうな、ガハハハ!まずは、これを読んでくれよ、話はそれからだ。

『俺がこの仕事を始めた理由』

さて、その間にいつものように、一番下にスクロールしてこの物語にぴったりな音楽でもかけてくれよ。

あれから10年、本当にあっという間に月日は流れた。俺は、いいことも、嫌なことも、本当にいろんなことを経験させてもらったし、覚えきれない人に出会った。良かったことは、全てのことを責任者として、自分で考えて行動した10年だったってことだ。右も左も分からない、エクセルも開いたことのない男だった俺は、この10年で大きく成長した。ちなみに、この間にまた1人、かわいい娘が産まれたんだぜ、ガハハハ!。

ゴスペル・ハイウェイって言葉を聞いたことがあるか?

サム・クックやレイ・チャールズなんかのレジェンドたちも、若い頃はドサ回りをしてたわけさ。50年代のまだ道路が整備されていない時代は、どさ回りするルートが限られてて、みんな同じコースを辿ってたんだ。その道がゴスペル・ハイウェイさ。

各地の教会でやつらはオーディエンスの湧かせ方、女の口説き方なんかを学んでいったわけさ。いわばゴスペル・ハイウェイは音楽修行の道ってわけだ。俺にとってのNPO法人での10年間はまさにゴスペル・ハイウェイだった。

若者たちとの距離の詰め方や、信頼関係の構築、ケンカの仲裁方法、リストカットした後の処置…。ありとあらゆる経験をあそこで俺はしたんだ。しなくてもいい経験もいっぱいしたけどな…。いいか、覚えておいてくれよ、無駄な経験なんて何もないんだ。俺はいつもそう思ってるし、引きこもってた若者たちにもずっとそれを伝えてきた。だから、あれはするべき経験だったんだろうなって思って感謝してる。

俺みたいな“人”を相手にする商売は、いわゆる正解のない仕事なんだ。正解のない仕事をしていて辛いことは、わからなくなった時に調べる辞書がないってことさ。俺たちスタッフは、わからなくなるとよく飲みに行ったよ。知った口を聞くヤツにはとことん噛み付いて、なんでそんなことが言えるのかって。まあ、大人気ない話だけど、とにかく真剣だったってことさ。なんせ何十人もの未来ある若者たちの人生を背負っているんだからな。

正解のない仕事とはいえ、何年もやってれば、たとえそれが勘違いだったとしても、この仕事の神髄みたいなものを感じるようになるんだ。それがスタッフとしての成長だし、人としての成長なんだと思う。これが対人業務に就く人間の醍醐味なんじゃないか?

ただし、その神髄は社長の言った一言で決まるようなもんじゃない。スタッフそれぞれが経験の中の痛みや喜びから築き上げるような、言ってみりゃあ世界にたった一つの血と涙のバイブルみたいなものなんだよ。そこに書かれた言葉が同じならスタッフ同士の絆になる。しかし、違うことが書いてあったらどうなると思う?

そうさ、バイブルが完成に近づくと段々と気持が食い違ってバラバラになっていく。そしてそんな奴が1人消え、2人消えしてくんだ。俺はゆっくりと時間をかけてバラバラになった1人なのかもしれないな。

俺は、入った当初からよくボスとぶつかってた。いろんなモア・ベターになる提案をし続けてきた。でも、大抵は経営って壁に押し潰される。もっと直截的にいえばカネだよ。今、俺も経営者だから、あの頃の俺を青臭いガキだったと思う。

俺は酒の席では必ずボスの傍に陣取った。いつも言いたいことが山ほど俺の中には溜まってるんだ。ボスもさぞかし俺には手を焼いただろうな。なんせ、俺が言い出すことはカネのかかることか、或はカネを失うことばかりで、そのすべてが正論だったからな、ガハハハ…。

でもボスは「酒中別人」といって、翌日にはキレイさっぱりだった。そして俺が言ったことが翌日には採用されてることもあったよ。俺が10年やれたのは、今改めて考えてみると、これだと思うな。まあ、甘えてたんだと思うし、ボスも甘えさせてくれてたんだろうな。

常にボスに物言うタイミングを見計らってたということは、常にアウトプットを俺は持っていたってことなんだよな。なんて言えばボスに響くか、納得してくれるか。だからインプットであるスタッフの言葉や、利用者の声にずっと耳を澄ましてたよ。

だけど、湧き出るものよりも吐き出せるものの方が少ない状態にどんどんなっていった。これは単純に委託事業の仕様書や予算の関係さ。俺はすべての委託事業の責任者か、或いはそれに近いことをしてた。そんな苛立ちの中で、ある日俺は御茶ノ水の居酒屋で、酔っぱらって真っ赤な顔した女神に天啓を受けたのさ。

「人生はたった一度しかない。私は後悔するような生き方をしたくない」

下手なロックバンドの若造が声を枯らして歌いそうな陳腐な言葉さ。でも、俺の体中に電流が流れたような気がしたほど、その言葉は俺を打ちのめした。そんな生き方をしてきたはずだったのに、なんで俺は酔っ払って組織への愚痴を吐いてるんだ?

俺はこのままじゃ人生を後悔するなって確信したんだ。

でもすぐに辞めるなんて言えなかったし、何をすればいいのかわからなかった。俺は今まで起業なんてことをこれっぽっちも考えたことがなかった。だから、何かがしたいというより、このままじゃダメだと思っただけだった。だから会社を作るまでに、この夜から2年もかかったんだぜ。準備はちゃんとしとくもんだよな。

つづきはまた今度、ゆっくり時間のある時に話すよ。

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