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2012年4月8日 - 2012年4月14日の1件の記事

2012年4月13日 (金)

透明な動画中継の不透明な現実〜Ustream中継は誰得?〜

来週の月曜日、政府主催の「雇用戦略会議ワーキング・グループ」で、横浜パーソナル・サポート・サービスの出張相談で行ってる神奈川県立田奈高等学校内の「田奈Pass」と、シェアコロが提案している「バイターン」が、いずれも先進的な事例という評価を受け、ワーキング・グループで紹介して欲しいというご依頼をいただいた。大変、光栄なことだ。

その後、内閣府から送られてきたメールに、「尚、当日の様子はUSTREAMで中継させていただきます」の文字。得体の知れない重い感じがのしかかり、それが嫌な緊張へと変わっていった。

Ust中継は誰得?

最近読了した、東浩紀の興味深い『一般意志2.0』では、すべての国の会議をニコニコ動画で中継し、受けてであるユーザーの言葉及びその反響をカテゴライズし、一般意志として、ゆるく政策決定に影響力を持たせるという思想が紹介されていた(アカデミックなこの本の一番アカデミックじゃない部分を抜粋してしまっています)。

僕は、非常にこの思想に共感していた。シェアするココロとはこういうことではないかと思うほどだった。ところが、今回自分がカメラを向けられる側になって、ちょっと待てよ、という感じになってきている。結論を言うと、中継されると言えないこと、出せないデータがあり、現場は不自由(不透明)な議論にならざる得ないだろうな、ということだ。

言えないこととしては、個人情報は当然なこととして、根拠性に乏しいことや、出典を思い出せないなど、言い直しが効かない中での冒険的な発言は相当難しいだろうと思う(音楽好きなら一発録りの緊張感に普通なら怖じ気づいて手癖のフレーズで済ますことを想像して欲しい)。

そして出せないデータについては、弊社もいまアンケート調査をしており、データの怖さのようなものを痛感しているところなのでデータの話をすると。出し方によってどうとでもデータは言えるっていうことと、まったく関係のない人たちを平気で傷つけるのがデータだということ。

データの検証の余地は(現時点での僕の感覚では)永遠続く。そのようなデータの一瞬を切り取られ、永遠、オンデマンドでリピートされるのは、発言者にとってあまりにもリスキーである。

それはおまえがカメラを向けられるのに慣れてないからだよ。すでにテレビの議論番組もあるし、国会中継だってデータ出してやりあってるじゃないか、という意見もあるだろう。

僕はそこにこそ問題があるんじゃないかと、今回改めて思った。それこそが劇場型の政治になる要因なのではないのか?議論の過程をエンターテイメント的に見せる意味がどこにあるのか?(ひょっとするとこれが日常化していく先に一般意志2.0があるのかもしれない)

話が逸れるようだが、昨日テレビでサッカーの神様ペレがこんなことを言っていた。要約すると、「自分たちの時代にはテレビ(プレイバック)がなく、人々の記憶に残ってもらうには、素晴らしいプレーを何度もしなければならなかった」ということを言っていた。

逆に言えば、今は一度でも素晴らしいプレーをしたら、世界中に何度でもその映像がリピートされ、Youtubeにアップされれば永遠観ることができ、英雄になれるということをペレは皮肉ってたわけだ。当選するために選挙期間だけいいことを言い、マニュアフェストを平気で反古にする。瞬間が良ければそれでいい。見えてるところはしっかりやり、見えてないところはどうでもいい。カメラのONとOFFが政治家のONとOFFになっていないのか?

今回、僕が出席させていただく「雇用戦略会議ワーキング・グループ」というのは、「雇用戦略対話」というすごい方々の下部組織(こちらもすごい方々)ということなので、「雇用戦略会議ワーキング・グループ」は完全じゃなくてもいいからクローズドなぶっちゃけトークを繰り広げ、それがしっかりとクローズドな議事録としして「雇用戦略対話」に繋がっていくことで、はじめて「雇用戦略対話」は意味をなすのではないか。

仮に、カメラを回すことをオープンと考えている方(特に官僚)がいるのであればそれは違うということが言いたい。今回、Ustreamがなければもっと言いたいことがあった、という委員はきっといただろう。その声を封じた「中継」は、罪なのではないか。そう考えると東浩紀の言う『一般意志2.0』は、難しいのではないかと思った。

Today's BGM is
Elton John/Goodbye Yellow Brick Road
51tm0gg9g0l_2エルトン熱が熱い。これは徐々にだ。最初のエルトン体験は、映画『ファンダンゴ』のオープニング。ジョンとのアレは正直どちらの個性もよくわからなかった。エルトンの魅力は一般的には恐らく美メロ。僕がはまってるのは狂気や錯綜だ。僕の中でそれは「Bennie And The Jets」と「Rocket Man」。なんだこの納まりの悪さと、解き放たれた美メロへの帰結は。天才だ!僕はそう思う。

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