2007年10月 6日 (土)

過保護のボーダーライン

路地に佇んでいたキンモクセイの香りが風に運ばれてくる度に、真っ赤な彼岸花が雁首揃えて嫉妬している。

僕はどこからともなく漂うキンモクセイの香りに足を止め、周囲を見渡した。

すると色褪せることのないサルスベリの花が目に飛び込む。その厭らしいピンクの花に訳の分からない嫌悪感が込み上げ、それに引き換えてかキンモクセイっていいなと、変に無条件に思った。

涼しくなった空気に身を正し空を見上げ、絹積雲を欠伸で滲んだ目で確認する。

「秋だよなあ、眠いわけだぁ」と思う。

なんて小説の主人公になってみたりして(笑)。

何度か紹介している、若年者就労支援に興味のある一般人を集めて行なわれる「ニート対応基礎対策講座」が今日の午後に行なわれた。

準備にはあまり時間をかけなかったけど楽しい作業だった。このフィーリングをどこまで活かせるか、と言うのがテーマだったけど、参加者が7人と少なかったせいか意外と活かせずにちょっとシリアスになってしまった。この路線もありなんだけど。

質疑応答では興味深い、というか一般の方々の中の硬派な方(?)からたまに出て来る問いかけがあった。内容を要約するとこんな感じ。

「うちの若いモンも、今日語られたニートと同じ。彼らに気を使う過保護さが彼らを駄目にしているのではないか?」という質問ではなく、我々支援者に対しての疑問。

ゴモットモ!と思う自分がいる。

でも、理由はともかく、社会(企業)が若者を叩き上げる体力を失った時代だから、そこまで手をかけてあげなければならない若者もいるんですよ!と、言いたい自分もいる。

そしてもう一方で、「うちの若いモンも、今日語られたニートと同じ」と言う言葉に、どこも新人の育成や職場定着に悩んでいることを実感。ビジネス・チャンスを「キラりん」と感じている自分もいる。

簡単に書くと、僕は職場の“困ったちゃん”たちを教育とカウンセリングで、組織内で十分に機能する人材に育成する仕事を請け負って行きたいと考えているのだ。

きっと、人材育成=新人教育にはお金はかけれるけど時間がかけれないという会社は多いだろう。私の会社もそんな会社の一つだ。

時間がかけれないというのは、そのテキスト作成の準備の部分だと僕は考える。

そして、カウンセリングという聞き役を客観的に担える人材がいない小規模な会社は腐るほどあり、アサーティブな関係などは夢の様な話しだろうと思われる。

僕の考えているビジネスは、このような企業の新人教育の一部を担い、彼らの会社への定着に貢献することと、カウンセリングによるメンタルケア及びキャリアマネジメントなのである。

そういった意味において、今日は収穫ありだった。僕が多少小難しく書いたようなことを、何気なく実践されている事業主の方も当然のように多数ご活躍されており、本日、疑問を投げ掛けて頂いた方も、そのような方のおひとりであると思われる。

そういった会社に入れた若者はさぞ幸せだろうな、なんて思う。

僕はその“幸せ”にこだわりたい、なんてことを考えている。

ちょっと長くなったので、“幸せ”についてはまた次回。

Today's BGM is
Janis Joplin/JANIS : Early Performances (Disk-2)Jacket_m
ジャニスの死後に制作されたドキュメンタリーのサントラ。フィルムは観ていないけど、このDisk-2は大好き。63〜65年にラジカセで録られた様な古いブルースナンバーを取り上げたアットホームなライブ録音。ちなみに彼女のデビュー盤「チープスリル」が68年のフィルモアだから、音源があること自体が奇跡的なんだけど、そんな歴史的価値なんかどうでもよくて、ホンワカしたムードがBGMとして本当に最適。僕は「アコースティック・コーヒーハウス・ブルース」と呼んでいる。


 

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2007年9月25日 (火)

Somebody's Watching You

二週間前。逃げるように職場である支援施設にやって来た17才の女の子がいる。

金髪、玉になったようなマスカラとアイシャドー。

でも、ちょっと今時って言葉の範疇から外れた感が、僕の目には映つる。

一週間前。僕は彼女に、晩飯の促しをした。それだけの付き合い。

そんな彼女がダンスのサークルを見学していた。

僕はたまたま留守番でそれを見守りながらストレッチや筋トレに付き合い、今は筋肉痛。ピークは三日後…。

彼女は踊るわけもなく、退屈そう。僕も踊るわけもなく、次の展開を思案している。

彼女に声を掛けた。

「ブログとか興味ある?手伝うから立ち上げてみない?」

「うん」って僕も素人なんだけどさ。

僕の一方的な会話と、人差し指一本の彼女。

不思議と距離は近い。

苦労の末、彼女のブログが立ち上がる。もちろんココログ!

「じゃあ、記念の日記書いて終わろうか」

結局、次回僕がいなくても更新できるところまでを仕込んだ。

そこに記された言葉にちょっと驚き、ちょっと嬉しかった。

「ブログデビューしちゃったキャー!(絵文字)」

「携帯卒業。これをきっかけにパソコンちゃんと練習しようかな(絵文字)」

なんだかなあ。おじさんにもその感激伝えろよ!

とか思いながら、きっと誰かが君のブログを見てるから。って思った。

誰にも言えない思いとか書いて欲しいな。

おかしなイントロのスライ&ファミリー・ストーンのプリティな名曲
「Somebody's Watching You」を思う。

Today's BGM is
Sly & The Family Stone/The Essential Sly & The Family Stone
51y6p1d0x7l_aa240_「暴動」以降はアルバム聴き。初期はベストでなんていう輩な僕。多いでしょ?僕は「暴動」以降全部レコードなんで、iPod導入以降、こいつは重宝している。「ケセラセラ」が未収録なのには暴動寸前ですが(笑)。ブログのタイトル「Somebody's Watching You」もこれで初聴き。いい曲ですよねえ。スライには他にも「You Can Make It If You Try」とか「Everybody Is A Star」なんていう希望のメッセージが多くて、聴いてて元気が出ます。

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2007年9月24日 (月)

「集大成」っていちいち欲しい。

今日は、とある素人の方々用に、『ニート・ひきこりの若者への対応基礎知識講座』なるもののテキスト作りをしている。

ニートな彼らは一体何者なのか?

テーマが恐ろしくでかくてけっこう悩む。

簡単に考えていたが、自分がしてきたこの仕事の集大成がこのテキストに凝縮されそうな予感があり、楽しみになってきている。講師も含め、いい仕事がしたい。

ポイントは、素人向けなので小難しく書けない。ということと、文字数が多いと講座がまとまらないのでどこまでシンプルに書けるか。あと、高齢の方が多いと思われるため、文字がでかい、文字サイズ16とか。

これが、この仕事を面白くさせている。

文字数を減らすため、しゃべりの部分と書き出しの部分が補完関係を取る形態で進めているが、しゃべりの部分を、理論や経験談をふんだんに文字化することで、それなりに読み物として面白いものになりはしないかとか、ちょっとビジネスの香りを楽しんでいる。

なんだか棚ぼた的な仕事の展開。大好き。

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2007年9月22日 (土)

無知の頑固

相棒と昔話をしていて思ったこと。

「無知の頑固ってやばいよね。見聞を広めた上でこれと定めた頑固は凄いけど。」って。

自分がこの仕事を始めた頃はまさに無知の頑固で突っ走ってて、人の意見なんか聞かなかったことを思い、呟いた。

知らないことを知られたくないから頑固になる悪循環。そうなったらもう知る機会はなくなり、変わることが出来なくなる。

精神の固定化。

いつしか変わることが恐怖へと変わっていく。最初の一歩を踏み出せない若モノのように。

「何も変われない者は、何も変えられない」僕の好きな佐野元春の言葉。まさに!

無知の頑固で突っ走っていた頃。

コアなメンバーが結束を固めたが、離れる人もあった…。

そう、頑固には良い意味と悪い意味がある。

僕は頑固になろう!

その前に充分に見聞を広め、いつでも自分自身をチェックする“謙虚”という機能を持ちたい。

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2007年9月21日 (金)

車なんて走れればいいのさ。

「いやいや、止まれなきゃ駄目なんです。」

今日は、内気な若モノを一名連れて自動車整備工場に職場体験に行ってきました。

タイヤを外し、ブレーキの仕組みを説明してくれているときに、整備士の方が言った言葉。

「皆さん車は走ればいいっていいますけど、私たち整備士は、ちゃんと止まってもらわなきゃ駄目なんです。」

なるほどね。恐らく整備士の方々がいつも使っているトークなんだろうけど、なんかいいなと思って「ふぅ~ん」と深くうなづいた次第。

仕事をはじめられても、たまに立ち止まれないと駄目なんだよなって。若モノの就労支援をしていて思っていたことにしっくりとはまった。

これって若モノだけじゃなく、みんなそうですよね。

立ち止まって見るものは、過去?

それとも未来?

僕は空を見上げ、現在から未来につながるルートを探す。

そのヒントが過去にある。

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