バイターン構想 Vol.1〜高校生のアルバイトがなくなっている〜
はじめに。家計を支えるバイトよりも人格形成のためのバイトを優先させるのか?という突っ込みに対しては、家計を支えるためのバイト優先でいいと思います。人格形成のためのバイトは教育的であるので、国の取り組みとして学校の地域活用という解釈で補助をすることで、バイトを雇いたいけど雇え切れない事業者とのマッチングをしていく、というのが僕の「バイターン」というインターンシップとバイトを合体させた中間的就労のアイデアです。バイターンについてはまた今度。
最近、高校の先生から、生徒がアルバイトに就けなくなってきている、と多く聞く。その理由は、ここ数年バイトの求人数が減ってきているうえに、失業者や失業中の方のパートナー、大学生などが、高校生のバイト市場に入ってきているからです。
「家計を支える必要もないんだし、別に高校生のバイトなんていいじゃないか」「学生は学業に専念すればいい」という意見もあると思いますが、社会に出る前のバイトってかけがえのない経験だったりしませんか?
僕自身は学校をさぼってバイトばかりしている学生でした(これは弊害w)。「勉強出来ないけど、仕事はできた」ということが、僕の人格形成にはめちゃくちゃプラスに作用したし、学校以外の仲間、特に年上の先輩たちや社員の大人たち、いわゆる最近の言い方だと“斜めの関係”から、いいこと悪いこと、いろんなことを学びました。社会をサバイブしていくスキルを身につけたのはバイトだったといい切れます。
僕が懸念しているのは、バイトのかけがえのない経験が就活の大きなアドバンテージとなる就職希望の高校生たちです。もっとセグメントを強化すると、商業、工業高校よりも就職内定率の低い普通科の就職希望生徒たちです。
彼らは職業学科の生徒たちとは違い、学校を卒業して企業で働くことを前提には教育を受けていませんし、特に進学校だと、マイノリティーである就職希望生徒に手をかけません(40分で自己PR、志望動機、筆記試験の出題傾向、心構えを教えてくれという無謀な依頼もあります)。それを補うのはアルバイトでの社会経験に他ならないと思います。
※ここを「職業的教育」で補うという本田先生はじめ、意見があると思いますし、僕もそれが理想だと思っていますが、まだまだ時期尚早です。それが実現するまでは、やはりアルバイトかと思います。
事実、「就職を決める生徒のバイト経験率は高いのか?」という僕の質問に、先生方は「データ化されていないがその傾向はある」とほぼ答えます。それを強く感じている、いわゆる底辺校の進路指導の先生たちが冒頭の「生徒がアルバイトに就けなくなってきている」という嘆きになるわけです。
以前、まじめ君たちが就活で結果を出せず、多少やんちゃな生徒の方が結果を出しているということを書きましたが、企業目線はこの2タイプをどのように評価しているのか。僕の知る先生たちはこの違いを「生活力」という言葉で表現していました。言い換えれば、こんな時代を生き抜く「タフ」さだったり、処世していく「狡猾さ」や、さまざまな出来事に折り合いをつけていく「バランス感覚」だったりするのはないかと思います。
これを学校で教えられますか?もっといえば、これらは教わるものですか?
そんなものは若いうちから知る必要はないし、それを教えるのが会社だろう。僕の内側からもそういう声が湧いてきます。しかし、そんな悠長な世の中ではないのです。
とある高校の相談員を横浜PSの事業として、毎週一回やることになりました。そんなこともあり高校生が教育的職業的体験を受けられるメリットとその仕組みについて、学校の先生とディスカッションする機会が増えています。その中で、僕がずっとやっている「アル活」の有効性も実証していきたいと考えています。
しばらくこのテーマを考えたいと思います。
Today's BGM is
Cream/Goodbye Cream
クラプトン好きなんで聴くのですがクラプトン関係では一番聴かないのがクリームかもw。そんな中でも比較的よく聴くのが2ndとこれかな。このアルバムとの出会いが映画『ファンダンゴ』のなかの「バッヂ」が聴きたくてだったので、そういう思い出もありで贔屓にしてます。圧倒的なライブパフォーマンスとキャッチーなスタジオワークの両方が楽しめますが、レコードだとB面ばかり聴いていましたねw。このバンドのスタジオワークはどれもぶっ飛んでます。